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関福大リレーコラム・多様化する犯罪・非行へのアプローチ

 2026年08月22日 
 前回、犯罪・非行の背景には、貧困や虐待、社会的孤立、「生きづらさ」など様々な福祉的な課題が潜んでいることが少なくなく、そうした背景に目を向け、犯罪・非行を福祉の視点から考えることが重要になってくるとお話ししました。

 そこで、参考になるのは「ヴァルネラビリティ(VULNERABILITY)」という概念です。特に近年、社会福祉の分野をはじめさまざまな分野で言及されているワードなので、どこかで聞いたことがある方もいるかもしれません。直訳すると、「脆弱性」ですが、「弱さ」「傷つきやすさ」とも訳されます。

 社会の中には、年齢、性別、障害、疾病等さまざまな理由で脆弱で傷つきやすい状態に置かれている人たちがいます。犯罪・非行の分野でも例外ではなく、こうしたヴァルネラビリティに焦点を当て、「傷つきやすさ」を持つ人という視点から犯罪者・非行少年を捉えてアプローチをしていくわけです。

 アプローチをしていく、と言いましたが、では実際に私がどのような研究を行っているのかについて簡単にご紹介したいと思います。実は、「犯罪」や「非行」をテーマにした研究分野はいくつかあります。心理学の視点から犯罪・非行を捉える犯罪心理学や社会学の視点から捉える犯罪社会学という分野もあります。

 私はその中でも、犯罪・非行とその対策について、法学の視点から考える刑事政策学という分野を専門としており、適正かつ有効な犯罪・非行への対策の在り方について法制度を中心に研究をしてきました。「犯罪」に対しては、刑罰をはじめとしたさまざまな手段を用いて対応がなされていますが、とりわけ、どのような処遇・支援を行えば犯罪者・非行少年の社会復帰につながり、再犯を防ぐことができるのか、立法や法の運用を踏まえた対策の在り方を研究しています。

 犯罪・非行と一言でいってもその背景や実態は多様化しており、前述したヴァルネラビリティの視点も取り入れながら、より安全な社会の実現に向けて、日々考えています。(社会福祉学部社会福祉学科講師・石田咲子)



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