関福大リレーコラム・「大人の学び」について
2025年08月29日
こんにちは。関西福祉大学の中村誠です。今回は「大人の学び」について考えてみたいと思います。
変化の激しい現代社会においては、常に新たな知識や概念が生まれ、個々人の内面の更新が日々求められています。これは社会の進歩の証であると同時に、私たちに少なからぬ苦労(苦痛)ももたらします。「学び」を苦痛だととらえると、私たちはこれからも増大する苦痛に耐え続ける生活を強いられることとなるでしょう。しかし、「学ぶ楽しみ」「学び続ける価値」の実感的体験があれば、人生はより楽しい輝くものになっていくのではないでしょうか。
私は37年間中学校の国語科教員をしてきました。その間、「学校は、生徒に『学ぶ楽しみ』『学び続ける価値』を伝えるところです。」という話を度々してきました。教えるべき中身はもちろん大切ですが、学ぶ意欲の種をまくことこそが個々人や社会の幸せには必要なことだとも考えるのです。しかし、これは学校だけにとどまらず、社会全体でも必要な認識のように思われます。
そんな社会の中で、子供を育み育てる立場にある我々大人はどうあるべきでしょうか。子供にとって最も身近な大人である親や教師こそが「学ぶ楽しさ」を経験し実感したいものです。それはどんなことでも構わないのです。仕事や暮らしに関することはもちろん大切です。学んだことが、目に見えて生活の向上につながります。しかし、スポーツや音楽などの趣味に関わることでも良いのです。これらの学びも確実に人生を豊かに輝かせてくれます。
「学び」による変化(進化)を楽しんでいる大人はとても魅力的です。そして、「変化する自分を楽しむ」意欲はその対象を様々に変えて伝播します。周囲に、そして子供たちに伝わっていきます。どんな分野でもいい。新たな自分を求めて学び続ける大人の姿こそが「学ぶ楽しみ」「学び続ける価値」を実感し、変化(進化)する自分を楽しむ「未来の大人」を作っていくのです。
先日、学生たちと「学び」について語り合う機会があったのですが、入学したての彼らは「学び=受験勉強」と捉えがちで、やや負のイメージを持っているように感じました。私は教育学部の教員養成課程の教員です。彼らと共に「学ぶ楽しみ」「学び続ける価値」を実感できる毎日を創造したいと強く感じています。(教育学部児童教育学科准教授・中村誠)
* * *
次回からは教育学部保健教育学科講師の大谷麻子先生が担当します。お楽しみに。
掲載紙面(PDF):
2025年8月30日号(2611号) 2面 (11,998,767byte)
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変化の激しい現代社会においては、常に新たな知識や概念が生まれ、個々人の内面の更新が日々求められています。これは社会の進歩の証であると同時に、私たちに少なからぬ苦労(苦痛)ももたらします。「学び」を苦痛だととらえると、私たちはこれからも増大する苦痛に耐え続ける生活を強いられることとなるでしょう。しかし、「学ぶ楽しみ」「学び続ける価値」の実感的体験があれば、人生はより楽しい輝くものになっていくのではないでしょうか。
私は37年間中学校の国語科教員をしてきました。その間、「学校は、生徒に『学ぶ楽しみ』『学び続ける価値』を伝えるところです。」という話を度々してきました。教えるべき中身はもちろん大切ですが、学ぶ意欲の種をまくことこそが個々人や社会の幸せには必要なことだとも考えるのです。しかし、これは学校だけにとどまらず、社会全体でも必要な認識のように思われます。
そんな社会の中で、子供を育み育てる立場にある我々大人はどうあるべきでしょうか。子供にとって最も身近な大人である親や教師こそが「学ぶ楽しさ」を経験し実感したいものです。それはどんなことでも構わないのです。仕事や暮らしに関することはもちろん大切です。学んだことが、目に見えて生活の向上につながります。しかし、スポーツや音楽などの趣味に関わることでも良いのです。これらの学びも確実に人生を豊かに輝かせてくれます。
「学び」による変化(進化)を楽しんでいる大人はとても魅力的です。そして、「変化する自分を楽しむ」意欲はその対象を様々に変えて伝播します。周囲に、そして子供たちに伝わっていきます。どんな分野でもいい。新たな自分を求めて学び続ける大人の姿こそが「学ぶ楽しみ」「学び続ける価値」を実感し、変化(進化)する自分を楽しむ「未来の大人」を作っていくのです。
先日、学生たちと「学び」について語り合う機会があったのですが、入学したての彼らは「学び=受験勉強」と捉えがちで、やや負のイメージを持っているように感じました。私は教育学部の教員養成課程の教員です。彼らと共に「学ぶ楽しみ」「学び続ける価値」を実感できる毎日を創造したいと強く感じています。(教育学部児童教育学科准教授・中村誠)
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次回からは教育学部保健教育学科講師の大谷麻子先生が担当します。お楽しみに。

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