忠臣蔵のふるさと・播州赤穂の地域紙「赤穂民報」のニュースサイト
文字の大きさ

赤穂民報


  1. トップページ
  2. かしこい子育て
  3. 記事詳細

関福大リレーコラム・死を想うこと

 2023年05月13日 
 私たちは、これまで「生きるとはどういうことか」、あるいは「幸福とはなにか」という哲学的な問題について考えてきましたが、最終回の今回は、「死」について考えていきたいと思います。


 私たち人間は「生・老・病・死」、つまり生まれて、老いて、病気となり、やがて死んでいく、避けられない苦しみ(仏教ではこれを四苦と言います)を持っています。そのなかでも私たちにとって最も恐ろしい苦しみとなるのは「死」ではないでしょうか。

 なぜ、「死」が恐ろしいものとなるのでしょうか。それは、人間にとって死は経験できないものであり、想像力が及ばない、また死を想像することによって死がより一層意識され、不安が煽られるからであると言っていいでしょう。

 では、私たちは、どのようにすれば良いのでしょうか。古代ギリシャのエピクロスは次のような非常にシンプルな回答を用意しています。つまり、「死は私たちにとって何ものでもないと考えることに慣れるべきである」と。私たちは死を経験できない以上、それについて思いをめぐらすよりも、毎日の生を充実させなさいというエピクロスからのメッセージではないかと私は考えています。

 ラテン語の言葉にMemento mori. Carpe diem.(メメントモリ・カルペディエム)という表現があります。日本語では、「死を忘れるな、その日をつかめ」と訳されます。人間は永遠に生きられないからこそ、一日一日、充実した生を送らなければならないという言葉です。刹那に散りゆく運命にあったとしても咲き誇る桜の花のように、自らの人生を輝かせて生きていきたいですね。
 さて、4回の連載もこれで終了です。私の拙文が、少しでも読者の皆様の関心を引いたり、人生のヒントになったりしたならこれ以上の喜びはありません。ご清覧ありがとうございました。(中田浩司・教育学部児童教育学科講師)

  *  *  *

 次回からは看護学部講師の宮脇智子先生が担当します。お楽しみに。
<前の記事


掲載紙面(PDF):
2023年5月13日号(2506号) 2面 (8,504,697byte)
 (PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)


コメントを書く

お名前 (必須。ペンネーム可):

メールアドレス (任意入力 表示されません):

内容 (必須入力):

※コメントは投稿内容を赤穂民報社において確認の上、表示します。
投稿ルールを遵守できる方のみご投稿ください。
今週のイベント・催し
23
(月)
 
24
(火)
25
(水)
26
(木)
27
(金)
 
28
(土)
 
29
(日)

最新のコメント

  • 丸山サンビーチ駐車場 一部利用者から過大徴収「精算プログラムの不具合」←赤穂民報(11/13)
  • 丸山サンビーチ駐車場 一部利用者から過大徴収「精算プログラムの不具合」←ん?(11/13)
  • 職員親睦団体の会計から590万円流用 市民部長を懲戒免職←ハイボール好き(11/12)

各種お申込み

以下より各お申込み、資料請求フォームにリンクしています。ご活用下さい。

スマホサイトQRコード

スマホ用URLをメールでお知らせ!
e-mail(半角入力)


ドメイン指定受信をされている方は「@ako-minpo.jp」を指定してください。

閉じる
中村唯心堂 中道工務店 矢野防水工業 赤穂メモリアルホール 野中砂子土地区画整理組合 花岳寺 兵庫県警
閉じる
中村唯心堂 中道工務店 矢野防水工業 赤穂メモリアルホール 野中砂子土地区画整理組合 花岳寺 兵庫県警