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関福大・加藤明先生の「応援します!かしこい子育て・教育・介護」【第12回】

 2015年07月04日 
【総合的な学習って、何を学んでいるの】
 小学校3年から高等学校3年まで総合的な学習の時間はあるのですが、教科書がありません。どのような内容について、どのように学習させ、どんな力をつけてやればいいのかについて、各学校に任されているからです。
 ただし、横断的・総合的に学習することや探究的に学習することを通して、自ら学ぶ力を育てること。そのために、地球規模や我が国の課題を背景に、目の前の子どもたちの実態や地域のねがい、課題等を考慮しながら各学校の責任で行いなさいと決められているのです。「横断的・総合的に学習する」から、総合的な学習なのです。
 例えば、地球温暖化や河川の汚染など、地球規模の課題である環境についての学習を考えてみましょう。このような学習の大切さは、誰も否定しないところです。ではこれをどの時間に学習すればよいのでしょうか。
 川の汚れを簡単に調べるなら、どのような生き物がいるかを調べることです。サワガニがいたらその川はきれいな水、フナやタニシがいたらやや汚い水、アメリカザリガニがいたらもっと汚い水です。汚い水の原因を調べていって、それが生活排水であることを明らかにするのは社会科の学習、私たちの健康への影響について考えるなら保健体育、「川を汚さないにはどうすればよいか」の相談をし、ポスターを作り、呼びかけるなら特別活動、それを守ろうと内面への自覚化を促すなら道徳になるわけです。
 前回の「ザリガニを伊勢エビに育てる生活科」で述べたように、探究してみたいことや、探究せずにはおれないことが膨らんでいく、このような学習は当然のことながら、教科等を超えての横断的、総合的になるからです。
 この他にも、これからの高齢化社会における福祉や在宅看護のあり方、赤穂義士や山鹿素行を温ねての故郷の高潔な精神の理解と誇り等々、赤穂市で育つ子どもたちに体験させておきたいことや、考えさせておきたい課題があります。それらの課題に取り組みながら、内容だけでなく「自らの学びの力」をつける。つまり、探究する価値のある内容に即して、自らの学びの力という能力を育てる、これが総合的な学習です。
 どんな総合をしているかを、家でも聞いてください。そして休日にいっしょに調べたり、見学したりするのも素敵ですね。やってみたいことを見つけ、能動的、主体的、探究的に学んでいく、このようなアクティブな学習こそが、「自ら学ぶ力」になるのです。(関西福祉大学・学長)
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掲載紙面(PDF):
2015年7月4日(2142号) 4面 (10,998,848byte)
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