全国でわずか3例 木製の甲(よろい)保存処理終え公開
2026年04月11日
赤穂市教育委員会は、75年前に上郡町の西野山3号墳で発掘され、全国で3例しかない木製甲(よろい)の保存処理をこのほど完了。有年楢原の赤穂市立有年考古館で開催中の企画展「西野山3号墳―赤穂郡の前期古墳―」で公開している。

西野山3号墳は古墳時代前期後半(4世紀後半ごろ)に築造されたとみられる全長32メートルの古墳。1950年に有年考古館初代館長の松岡秀夫と京都大学考古学研究室によって発掘調査が行われ、三角縁神獣鏡や鉄製品などとともに木製の短甲が出土した。
木は腐って完全になくなっており、表面や裏面に塗られた漆だけが薄い膜として土にこびりついて残った状態。発掘当時は保存処理の技術が確立されておらず、薄めた接着剤を塗布して剥離を抑えるといった応急の処置しかされていなかった。時代が進み、適切な保存処理が可能になったことから、市教委は2022年度から作業に着手した。
保存処理に伴い、顕微鏡を使った構造分析も行い、改めて材質が繊維や皮革ではなく木製であることの確証を得た。表面には「鋸歯文」と呼ばれる、のこぎりの刃のようにギザギザした文様が施されていることなどもわかった。また、漆の層に挟まれて朱(顔料)が確認され、魔除けや死者の復活などを願って埋葬時に散布されたものとみられる。
市教委によると、他に木製甲が見つかった例は滋賀県の雪野山古墳、奈良県の上殿古墳の2例のみ。西野山3号墳に木製甲が副葬されていたことについて「当時最新の葬儀の方法を取っていたと考えられる」とする。また、古墳時代よりも古い弥生時代の玉類も出土していることから、「被葬者は地域の有力者としての系譜を持つ人物だったのでは」と推測している。
企画展では木製甲、三角縁神獣鏡など100点近い資料を展示。赤穂郡内の主な古墳についてパネルで解説している。5月11日(月)まで午前10時〜午後4時(入館は3時半)。入館無料。TEL49・3488。
掲載紙面(PDF):
2026年4月11日号(2640号) 1面 (4,661,519byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)

有年考古館で公開中の全国で3例しかない木製甲
西野山3号墳は古墳時代前期後半(4世紀後半ごろ)に築造されたとみられる全長32メートルの古墳。1950年に有年考古館初代館長の松岡秀夫と京都大学考古学研究室によって発掘調査が行われ、三角縁神獣鏡や鉄製品などとともに木製の短甲が出土した。
木は腐って完全になくなっており、表面や裏面に塗られた漆だけが薄い膜として土にこびりついて残った状態。発掘当時は保存処理の技術が確立されておらず、薄めた接着剤を塗布して剥離を抑えるといった応急の処置しかされていなかった。時代が進み、適切な保存処理が可能になったことから、市教委は2022年度から作業に着手した。
保存処理に伴い、顕微鏡を使った構造分析も行い、改めて材質が繊維や皮革ではなく木製であることの確証を得た。表面には「鋸歯文」と呼ばれる、のこぎりの刃のようにギザギザした文様が施されていることなどもわかった。また、漆の層に挟まれて朱(顔料)が確認され、魔除けや死者の復活などを願って埋葬時に散布されたものとみられる。
市教委によると、他に木製甲が見つかった例は滋賀県の雪野山古墳、奈良県の上殿古墳の2例のみ。西野山3号墳に木製甲が副葬されていたことについて「当時最新の葬儀の方法を取っていたと考えられる」とする。また、古墳時代よりも古い弥生時代の玉類も出土していることから、「被葬者は地域の有力者としての系譜を持つ人物だったのでは」と推測している。
企画展では木製甲、三角縁神獣鏡など100点近い資料を展示。赤穂郡内の主な古墳についてパネルで解説している。5月11日(月)まで午前10時〜午後4時(入館は3時半)。入館無料。TEL49・3488。

木製甲のイメージ図=市教委提供
| <前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2026年4月11日号(2640号) 1面 (4,661,519byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
赤穂市史史料集 第12集『赤穂尋常高等小学校郷土調査』刊行 [ 文化・歴史 ] 2026年04月10日日本伝統工芸近畿展で初入選 赤穂緞通作家の宮本理絵さん
[ 文化・歴史 ] 2026年04月04日 原小学校にアートマイル財団から特別賞 来日した学生が坂越で日本文化体験 姫路市美術展 赤穂から4人入選
[ 文化・歴史 ] 2026年03月19日 福浦に1700年前の前方後円墳 21日に現地説明会 「猫」テーマに写真展 メイプル写友会 赤穂市児童合唱団 節目の第50回定演 3月15日にハーモニーH 図書館で27日から「雨聲会展」
[ 文化・歴史 ] 2026年02月23日 赤穂美術家連合会展 13日から赤穂化成ハーモニーホール
[ 文化・歴史 ] 2026年02月09日 「かき」と「かき」主人公にオリジナル絵本
[ 文化・歴史 ] 2026年02月07日 二つとない模様、思い入れある器に
[ 文化・歴史 ] 2026年02月04日 赤穂特別支援学校 児童生徒の力作720点を展示 有年の文化活動に尽くした兄弟を顕彰 19歳華道家がプロデュース 伝統工芸と生け花展












コメントを書く