コンセプトは「昔の縁側」坂越に古民家カフェ開店
2022年06月11日
かつて北前船が発着した坂越に、明治前期に建てられた日本家屋を再生した古民家カフェが6月11日(土)に開店する。

店名は「くつろぎの縁側『優・優』」。「何となく人が集まって茶飲み話を楽しんだ昔の縁側のように、優しさに包まれた憩いの場にしたい」という店主の思いが込められている。
廻船業で栄えた地元の旧家・奥藤家が1881年(明治14)に建築した木造瓦葺き2階建て。ここ30年ほどは空き家になっていたという。
カフェをオープンするのは近隣地区の自治会長を務める門田守弘さん(70)。プラント・機械設計業を営むかたわら、まちづくり活動に取り組んできた門田さんは、地元が観光名所としてにぎわいを増す一方、過疎化に伴って空き家が増え、住民同士の交流が減っていく地域の課題に頭を悩ませていた。
数年前、坂越を観光で訪れた人が子どものおむつを替える場所がなくて困ったという話を聞き、「空き家を活用して、観光客が気軽に休憩できる場所を設ければよいのでは」と思いつき、奥藤家に相談。「地域のためになるなら」と快く土地と建物を貸してもらえることになった。
古民家を改修活用するには、建物の耐震や消防基準をクリアする必要がある。何度も県や市の担当窓口に足を運んだが、耐震壁を追加すると消防基準で求められる避難口がふさがってしまうという難題に突き当たり、あきらめかけたこともあったという。しかし、根気よくアドバイスを求め、特殊な金具を設置することで消防基準に抵触せずに耐震化を図れることがわかった。
昨年6月にリニューアルに着工。伝統ある趣をできるだけ残そうと、内壁と畳、傷んだ襖など最低限の改修に留めた。費用の一部は県と市の「古民家再生促進支援事業補助金」を活用した。延床面積は約550平方メートルで、同補助金の活用事例では最大級の規模だという。
1階と2階の計8室に客席を設け、約50人まで収容可。当面は妻の知子さん(70)と夫婦2人で切り盛りする。専門店で淹れ方を学んだ自慢のコーヒーをはじめ、ジュース、抹茶などドリンクメニューのみで営業し、夏以降に食事とスイーツメニューを追加していく予定。
スイーツはパティシエとして10年以上の経験がある門田さんの甥が担当し、焼き菓子の販売も行う。また、営業時間中は約200平方メートルある庭を開放し、他店で購入した商品の持ち込みもOKという。
2階からは、かつて北前船が往来した坂越浦を眺められる。「時間を忘れて、ゆっくりくつろいでほしい」と門田さん。庭の一角に整備した菜園では、店で出た野菜のへたなどをコンポストで肥料にして次の野菜づくりに活かす「食のSDGsプロジェクト」に赤穂高校定時制ボランティア部の協力で取り組む。

地域の集会所としても部屋を提供するといい、門田さんは「憩いの場、休息の場、交流の場に活用してもらえれば」と話している。
木曜〜日曜の週4日、午前10時〜午後4時営業。今月25日(土)午後にはフォルクローレ音楽会(開演時間、チケット価格は未定)を開く。TEL090・2594・1480。
掲載紙面(PDF):
2022年6月11日号(2465号) 1面 (12,599,577byte)
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「観光客にも地元のみなさんにも憩いと交流の場となるように」と坂越で古民家カフェをオープンする門田守弘さん、知子さん夫妻
店名は「くつろぎの縁側『優・優』」。「何となく人が集まって茶飲み話を楽しんだ昔の縁側のように、優しさに包まれた憩いの場にしたい」という店主の思いが込められている。
廻船業で栄えた地元の旧家・奥藤家が1881年(明治14)に建築した木造瓦葺き2階建て。ここ30年ほどは空き家になっていたという。
カフェをオープンするのは近隣地区の自治会長を務める門田守弘さん(70)。プラント・機械設計業を営むかたわら、まちづくり活動に取り組んできた門田さんは、地元が観光名所としてにぎわいを増す一方、過疎化に伴って空き家が増え、住民同士の交流が減っていく地域の課題に頭を悩ませていた。
数年前、坂越を観光で訪れた人が子どものおむつを替える場所がなくて困ったという話を聞き、「空き家を活用して、観光客が気軽に休憩できる場所を設ければよいのでは」と思いつき、奥藤家に相談。「地域のためになるなら」と快く土地と建物を貸してもらえることになった。
古民家を改修活用するには、建物の耐震や消防基準をクリアする必要がある。何度も県や市の担当窓口に足を運んだが、耐震壁を追加すると消防基準で求められる避難口がふさがってしまうという難題に突き当たり、あきらめかけたこともあったという。しかし、根気よくアドバイスを求め、特殊な金具を設置することで消防基準に抵触せずに耐震化を図れることがわかった。
昨年6月にリニューアルに着工。伝統ある趣をできるだけ残そうと、内壁と畳、傷んだ襖など最低限の改修に留めた。費用の一部は県と市の「古民家再生促進支援事業補助金」を活用した。延床面積は約550平方メートルで、同補助金の活用事例では最大級の規模だという。
1階と2階の計8室に客席を設け、約50人まで収容可。当面は妻の知子さん(70)と夫婦2人で切り盛りする。専門店で淹れ方を学んだ自慢のコーヒーをはじめ、ジュース、抹茶などドリンクメニューのみで営業し、夏以降に食事とスイーツメニューを追加していく予定。
スイーツはパティシエとして10年以上の経験がある門田さんの甥が担当し、焼き菓子の販売も行う。また、営業時間中は約200平方メートルある庭を開放し、他店で購入した商品の持ち込みもOKという。
2階からは、かつて北前船が往来した坂越浦を眺められる。「時間を忘れて、ゆっくりくつろいでほしい」と門田さん。庭の一角に整備した菜園では、店で出た野菜のへたなどをコンポストで肥料にして次の野菜づくりに活かす「食のSDGsプロジェクト」に赤穂高校定時制ボランティア部の協力で取り組む。

「食のSDGsプロジェクト」で菜園の世話をする赤穂高校定時制ボランティア部
地域の集会所としても部屋を提供するといい、門田さんは「憩いの場、休息の場、交流の場に活用してもらえれば」と話している。
木曜〜日曜の週4日、午前10時〜午後4時営業。今月25日(土)午後にはフォルクローレ音楽会(開演時間、チケット価格は未定)を開く。TEL090・2594・1480。

くつろぎの縁側「優・優」の周辺図
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2022年6月11日号(2465号) 1面 (12,599,577byte)
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