「心残りないお別れを」納棺師の中山泉さん
2022年02月12日
「少しでも心穏やかに故人を見送る手助けができれば」と話す納棺師の中山泉さん
人は死を迎えると時間の経過とともに顔が変色したり、目や口が閉じなくなってしまったりすることがあり、遺族が「苦しそうに見える」「何か言い残したことがあるのでは」などと気をもむことが少なくない。専門的なマッサージや施術で故人を生前の姿にできるだけ近づけ、遺族の精神的負担を和らげるのが納棺師の仕事という。
中山さんは1994年から10年間、京都市内の病院で看護師として勤務。夫の転職に伴い2005年に赤穂に移住した。東日本大震災で犠牲になった遺体をボランティアで手当てする復元納棺師の笹原留似子さんの活動をテレビで目にし、傷ついた遺体を復元して遺族との対面を叶える仕事ぶりに感銘。翌年に岡山であった笹原さんの講習会で直接本人の声を聞き、「自分も納棺師になりたい」と決意した。
笹原さんの通信講座を受講し、2014年に「あこう典礼館花みずき」に入社。昨年6月、岩手県にある笹原さんの会社で7日間の講習を受けた。関係者によると、関西で初めての修了者だという。
中山さんが行うのは「参加型納棺」と呼ばれ、施術によって元気だったころの微笑みと面影を取り戻した故人に対し、遺族も一緒になって感謝やいたわり、ねぎらいの声を掛けながら化粧やひげそりなど身だしなみを整える。実際に参加型納棺で故人を見送った遺族からは「まるで眠っているような穏やかな顔で、心残りなく送り出すことができました」などといった感想が寄せられたという。
中山さんは「お別れのひとときは、かけがえのない時間。最期に何かをしてあげられた、と良い記憶として残れば」と話している。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2022年2月12日号(2450号) 4面 (7,182,952byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
随意契約の備蓄米 赤穂でも販売 即日完売の店も 総合計画の目標人口「4万人以上」 中間見直し素案 [ 社会 ] 2025年06月14日
14日に「福祉のつどい」 つつじ賞など表彰 三菱電機赤穂工場 市消防本部と合同訓練 [ 社会 ] 2025年06月12日
「目標は3万筆」産廃処分場建設反対へ署名運動 [ 社会 ] 2025年06月07日
軟骨伝導イヤホン 市役所窓口に導入 [ 社会 ] 2025年06月07日
アース製薬が100周年祝う 「発祥の地」駅名標も 《市民病院医療事故多発》脳外科医と科長の主張 真っ向対立 赤穂観光協会 新会長に上山浩一氏 関西福祉大 2024年度就職決定率100% 市内事業所は13人採用 フードドライブ 赤穂市役所でも月1実施 新議員に聞く 抱負と目標〜松崎昭彦議員 新議員に聞く 抱負と目標〜山谷真慶議員 新議員に聞く 抱負と目標〜木下秀臣議員 暴力団と関係を断つ会 新会長に前田氏 [ 社会 ] 2025年05月30日
コメントを書く