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《市民病院医療事故多発》被告医師「私一人だけ悪いとなるのはおかしい」

 2026年02月12日 
 赤穂市民病院で2020年1月に起きた医療ミスで業務上過失傷害罪に問われている医師の第2回公判が12日に神戸地裁姫路支部であり、松井宏樹被告(47)は自身の過失を認めた上で、「手術はチームでやっているものであり、一人だけ悪いとなるのはおかしいのではないか」と責任の減免を主張した。

 この日は弁護側と検察側の双方から被告人質問が行われ、患者の脊椎の神経をドリルで切断する医療ミスに至った経緯への質問に多くの時間が使われた。被告は、医療ミスが起きた原因を「術野が視認しにくいにもかかわらず、スチールバーを使い続けたことが私の過失」と自身の責任を認めつつ、「(科長から)スチールバーを使うように指示を受けた。止血の指示はまったくなかった」と手術で助手を務めた上司の責任を指摘。「止血するよう指示した」とする科長の証言を否定した。

 「あなたは、この手術を成功する技量はあったのか」との検察官の質問には「結果論で言うとなかったのだろうが、それまで100例で助手を経験しており、執刀が早過ぎることはなかった」と答えた一方、この医療ミスの約3か月半前にもドリルで頸椎を削った別の患者の手術で首から下が麻痺する回復不能の医療事故が発生していたことに触れ、「執刀を辞退すべきだった」とも話した。

 被害者参加制度で質問した患者の代理人弁護士は、頸椎手術の医療事故報告書がすぐに提出されなかった理由を質した。被告は「他の仕事や新しい患者が来て優先順位が下がった」とした。「報告書を出していれば、今回の医療ミスを防げたと思うか」との問いには「関係ない」と関連性を否定した。

 被害患者に対しては、「喜ばせようと思って手術したが、結果的にこういうことになってしまい、その責任は負わないといけないと思っている」と謝罪の意を示した反面、患者家族への心情を「漫画(脳外科医 竹田くん)の作者であることに複雑な気持ちを持っている」と吐露した。また、自身が『脳外科医 竹田くんのモデル』のアカウント名で開設しているSNSについて「漫画の内容について私の認識を発信した」と意図を語り、一部の投稿が「軽率だったかもしれない」と反省を述べた。

 松井被告は赤穂市民病院を2021年8月に依願退職した後、大阪市内の医療機関を経て、吹田市内の病院に採用。昨年10月に退職し、現在は無職という。公判では、直近の勤務先を退職した理由を「私がいると患者が来ないから退職してほしいと言われた。私をかばった責任をとって院長が辞めることになり、私も辞めた」と説明。今後の身の振り方について問われると、「外科医は自分としてもやりたくない。患者に悪いことが起こった時に耐えられる気がしない」と述べた一方で「(医師免許の返納は)今のところ考えていない」とした。

 この日は直近勤務先の前院長が弁護側の情状証人として出廷する予定だったが、「出廷が困難になった」(被告代理人)として取り止めになった。

 次回公判は2月18日(水)午後1時半から論告求刑と最終弁論などを行う予定。当日午後0時40分〜50分に整理券を配布し、抽選で傍聴券を交付する。



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