「国内トップの価値」国天然記念物指定100周年の生島樹林
2025年01月27日
生島樹林が国天然記念物に指定されて100周年を記念したシンポジウムが26日、加里屋中洲の赤穂市民会館であり、有識者らによる講演やパネルディスカッションなどを約80人が聴講した。

生島樹林は坂越湾に浮かぶ面積約8ヘクタール、周囲1・4キロの無人島の照葉樹林。原始の状態を保つとして、1924年12月9日に国天然記念物に指定された。瀬戸内海国立公園特別保護区にあり、スダジイの群落は兵庫県レッドデータブックAランクに指定されている。1975年以降に植生調査が計9回あり、2002年と21年には植生を維持するために市民ボランティアの手でムベの伐採が行われるなど、貴重な文化財を保全する活動が継続されている。
シンポジウムは「国天然記念物 生島樹林を守り伝える」と題し、赤穂市教育委員会と「兵庫県みどりのヘリテージマネージャー会」が主催した。
基調講演で、生島の植生に詳しい服部保・兵庫県立大学名誉教授は「屋久島や奄美大島の樹林に劣らない自然性を有しており、国内トップクラスの価値がある」と希少さを強調。樹木医や緑地保全などの専門家を加えたパネルディスカッションではムベの繁殖以外にもナラ枯れ、鹿による食害といった生島樹林の植生を脅かす問題が指摘され、早期発見と早期対処の重要性や予算の確保、市民ボランティアを育成する必要性が提案された。
パネリストの一人として出席した赤穂市教委文化財課の荒木幸治係長は「生島は地域のシンボル。10年、20年単位で考えていくべき」と長期的視点で取り組む姿勢を示した。
掲載紙面(PDF):
2025年2月8日号(2586号) 2面 (4,269,016byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)

生島樹林の国天然記念物指定100周年を記念して開かれたシンポジウム
生島樹林は坂越湾に浮かぶ面積約8ヘクタール、周囲1・4キロの無人島の照葉樹林。原始の状態を保つとして、1924年12月9日に国天然記念物に指定された。瀬戸内海国立公園特別保護区にあり、スダジイの群落は兵庫県レッドデータブックAランクに指定されている。1975年以降に植生調査が計9回あり、2002年と21年には植生を維持するために市民ボランティアの手でムベの伐採が行われるなど、貴重な文化財を保全する活動が継続されている。
シンポジウムは「国天然記念物 生島樹林を守り伝える」と題し、赤穂市教育委員会と「兵庫県みどりのヘリテージマネージャー会」が主催した。
基調講演で、生島の植生に詳しい服部保・兵庫県立大学名誉教授は「屋久島や奄美大島の樹林に劣らない自然性を有しており、国内トップクラスの価値がある」と希少さを強調。樹木医や緑地保全などの専門家を加えたパネルディスカッションではムベの繁殖以外にもナラ枯れ、鹿による食害といった生島樹林の植生を脅かす問題が指摘され、早期発見と早期対処の重要性や予算の確保、市民ボランティアを育成する必要性が提案された。
パネリストの一人として出席した赤穂市教委文化財課の荒木幸治係長は「生島は地域のシンボル。10年、20年単位で考えていくべき」と長期的視点で取り組む姿勢を示した。
| <前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2025年2月8日号(2586号) 2面 (4,269,016byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
尾崎地区で史跡ラリー 児童らが日本遺産など巡る 手芸歴50年以上の女性 編み物、パッチワークなど初の個展
[ 文化・歴史 ] 2025年11月22日 各地区自慢の獅子舞に拍手 伝統文化祭
[ 文化・歴史 ] 2025年11月16日 藩主から拝領の和時計を公開 田淵記念館 「撮り鉄」の草分け 吉栖清美さん写真展
[ 文化・歴史 ] 2025年11月06日 獅子舞3団体が出演 赤穂市伝統文化祭 塩屋の書道講師、清水まみさん 日展で12年連続入選
[ 文化・歴史 ] 2025年11月01日 「いやしへの扉をひらく場所」 坂越まち並み館25日再オープン 「愛と自由と平和」ゴスペルでビートルズ 25日にライブ 赤穂市美術展が開幕 7部門で61点入賞 19日まで
[ 文化・歴史 ] 2025年10月16日 赤穂八幡宮の子ども屋台 今年から男女で 「坂越の船祭」12日に本宮 和船巡航に「バタかけ」など見せ場 講演会「『忠臣蔵』の黄表紙ー蔦屋重三郎も手がけた江戸文芸」 11日に大石神社で石見神楽奉納 城壁に響く珠玉の演奏 「ル・ポン音楽祭」開幕
[ 文化・歴史 ] 2025年09月27日












コメントを書く