「坂越の船祭」櫂伝馬2艘を新調
2018年05月29日
関係者が見守る中、進水した櫂伝馬の新造船
坂越の船祭は毎年10月第2日曜日の本宮で頭人船、神輿船、歌船など11艘の船団が御旅所のある生島へ渡り、2艘の櫂伝馬が先頭を務める。これまでの櫂伝馬(昭和57年〜58年建造)が老朽化したため、氏子らでつくる「坂越の船渡御祭保存会」が文化庁と県教委及び赤穂市の補助を受けて新造した。
同祭礼の和船はかつて、地元の船大工で赤穂市選定保存技術保持者だった湊隆司さんが建造と修繕を請け負っていたが、湊さんが4年前に死去。その後は姫路市的形町のオクムラボート販売(奥村雅晴社長)が引き継いだ。今回も同社が瀬戸内海歴史民俗資料館(高松市)の織野英志専門員から学術的・技術的指導を受け、昨年9月に起工。吉野杉を主材料に大きさや形状、装飾は現行船をモデルとし、同神社の神紋である「八本矢車紋」の銅板飾りを船体側面にあしらった全長約9・7メートルの櫂伝馬を完成させた。
進水式は御旅所を臨む坂越ふるさと海岸で開かれ、保存会会員や神社役員など約50人が出席した。生浪島堯宮司(74)が祝詞を奏上。建造を手掛けた船大工らが船体中央に「船霊」を組み込み、海上へ送り出した。
「先代」の櫂伝馬は獅子船に転用され、現在の獅子船は地元の文化財として倉庫に保管する。保存会の篠原明会長(81)は「先に修理した神輿船、歌船と合わせて、船渡御を将来にわたって継承する課題の一つを解決できた。この秋も多くの方に祭りを見物してほしい」と話した。
<前の記事 |
掲載紙面(PDF):
2018年6月2日(2280号) 1面 (11,449,579byte)
(PDFファイルを閲覧するにはこちらからAdobe Readerを入手してください。)
赤穂御崎海岸をモチーフに絵画展 [ 文化・歴史 ] 2025年06月09日声楽、ピアノなど14人出演 コンセル・ヌーボ定期演奏会 国展写真部で福原信三賞 北野中の大川礼子さん [ 文化・歴史 ] 2025年06月05日
多彩な書風見どころ 赤穂書道会展 6日から 「赤穂の田園風景」テーマに写真展 [ 文化・歴史 ] 2025年05月25日
「坂越の船祭」伝承願い絵馬奉納 [ 文化・歴史 ] 2025年05月23日
北前船寄港地にちなみ千石船の絵馬奉納 [ 文化・歴史 ] 2025年05月16日
山手町の名田博さんも出品 赤穂で「剪画展」 [ 文化・歴史 ] 2025年05月12日
播州赤穂駅2階で絵画サークル作品展 [ 文化・歴史 ] 2025年05月11日「秦氏を学ぶ会」主催の講演会 18日に市立図書館 万博会場にアートマイル壁画 会期中に計158か国展示 「赤穂緞通を伝承する会」3人が講習修了 [ 文化・歴史 ] 2025年04月12日
日本遺産写真展 塩屋の矢野博之さん「生島の夕暮れ」が最優秀賞 [ 文化・歴史 ] 2025年04月01日
復元塩田で昔の塩づくりを体験 [ 文化・歴史 ] 2025年03月21日
雨聲会展 故室井澄氏の遺作も展示 [ 文化・歴史 ] 2025年03月18日
コメントを書く