元市民病院脳外科医 転職先でも医療トラブル 透析治療せず患者死亡か
2024年02月10日
医療過誤を含む複数の医療事故に関与して2021年8月に赤穂市民病院を依願退職した40代男性医師を採用した医療法人医誠会(大阪市北区)が5日、必要な透析治療を行わずに患者を死亡させたとして、遺族から慰謝料など約4960万円の損害賠償を求める民事訴訟を起こされた。
訴状によれば、同医師が「入院理由の確認を怠った」ことなどで患者への透析治療が実施されず、入院から4日後に死亡したという。
訴状などによると、死亡したのは大阪府内の男性(当時90歳)。腎臓に慢性的な疾患があり、同法人が運営するクリニックで週3回の人工透析を受けていた。透析予定日だった昨年1月7日、新型コロナ検査で陽性となり、クリニックと同系列の医誠会病院(大阪市東淀川区、当時)の救急外来に搬送された。
クリニックからは患者が透析を必要としている旨がファクスで送られていたにも関わらず、初期対応した同医師は「どういう適応で入院との判断となったかは不明」などとカルテに記載。患者は翌日になっても透析治療を受けられず容態が悪化し、本人が望んでいなかった延命措置を施された上で「窒息による低酸素脳症」で11日に死亡した。
原告は「透析治療が行われなかったことにより肺に水が溜まり、溢水を原因とする肺水腫を引き起こし、それにより窒息によって低酸素脳症となり、亡くなった」と因果関係を指摘。患者の受け入れ後、「直ちに透析治療を行う義務を怠った」などとして、病院側の注意義務違反を訴えている。
遺族によると、患者の入院後、長女が看護師に病状説明を求めたが「救急医は救急対応で忙しいため話せない」などとして説明対応や医師との面談を拒否され、入院3日目の9日夜に患者が心拍停止の状態で発見された後に病院から呼び出された。また、その後の病院との話し合いの中で院長は、患者を受け入れてから容態が急変するまでの間、一度も「医師の診察はなかった」と認めたという。
原告として提訴した患者の長女は「父が延命措置を受けた翌日に別の医師から説明を受けましたが、新型コロナが原因との説明は一切ありませんでした。窒息による低酸素脳症を引き起こしたのは透析治療の不実施以外に考えられません」と話す。長女は現職の看護師で「父がなぜこのような亡くなり方になってしまったのか不審に思って確認する中で、最初に対応した救急医が赤穂市民病院でいくつもの医療事故に関わった医師だと知った」という。被告病院のあまりの杜撰さに医療従事者としてこのままではいけないという強い思いから訴訟提起を決意した。
原告代理人の平井健太郎弁護士は「入院時に患者の基本的な診療情報を確認さえしていれば亡くなることはなかった」と初動対応した医師をはじめ病院側の落ち度を指摘する。
医誠会は6日、赤穂民報の取材に「訴状が届いていないのでコメントしかねる」と回答した。
同医師は2019年7月から赤穂市民病院に脳神経外科医として在籍。医療過誤1件を含む8件の医療事故を起こしたとされ、当時の院長から手術禁止を命じられたまま依願退職し、その翌日に医誠会病院に救急医として採用された。関係者によると、現在は別の医療法人が運営する大阪府内の医療機関で勤務しているという。
同医師をめぐっては、赤穂市民病院での医療過誤の被害患者側から民事と刑事の両方で訴えられている一方、自身は専門医試験の受験を妨害されたなどとして、赤穂市と前院長、上司だった科長を相手取り、昨年10月に損害賠償請求訴訟を起こしている。
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掲載紙面(PDF):
2024年2月10日号(2540号) 1面 (6,018,218byte)
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訴状によれば、同医師が「入院理由の確認を怠った」ことなどで患者への透析治療が実施されず、入院から4日後に死亡したという。
訴状などによると、死亡したのは大阪府内の男性(当時90歳)。腎臓に慢性的な疾患があり、同法人が運営するクリニックで週3回の人工透析を受けていた。透析予定日だった昨年1月7日、新型コロナ検査で陽性となり、クリニックと同系列の医誠会病院(大阪市東淀川区、当時)の救急外来に搬送された。
クリニックからは患者が透析を必要としている旨がファクスで送られていたにも関わらず、初期対応した同医師は「どういう適応で入院との判断となったかは不明」などとカルテに記載。患者は翌日になっても透析治療を受けられず容態が悪化し、本人が望んでいなかった延命措置を施された上で「窒息による低酸素脳症」で11日に死亡した。
原告は「透析治療が行われなかったことにより肺に水が溜まり、溢水を原因とする肺水腫を引き起こし、それにより窒息によって低酸素脳症となり、亡くなった」と因果関係を指摘。患者の受け入れ後、「直ちに透析治療を行う義務を怠った」などとして、病院側の注意義務違反を訴えている。
遺族によると、患者の入院後、長女が看護師に病状説明を求めたが「救急医は救急対応で忙しいため話せない」などとして説明対応や医師との面談を拒否され、入院3日目の9日夜に患者が心拍停止の状態で発見された後に病院から呼び出された。また、その後の病院との話し合いの中で院長は、患者を受け入れてから容態が急変するまでの間、一度も「医師の診察はなかった」と認めたという。
原告として提訴した患者の長女は「父が延命措置を受けた翌日に別の医師から説明を受けましたが、新型コロナが原因との説明は一切ありませんでした。窒息による低酸素脳症を引き起こしたのは透析治療の不実施以外に考えられません」と話す。長女は現職の看護師で「父がなぜこのような亡くなり方になってしまったのか不審に思って確認する中で、最初に対応した救急医が赤穂市民病院でいくつもの医療事故に関わった医師だと知った」という。被告病院のあまりの杜撰さに医療従事者としてこのままではいけないという強い思いから訴訟提起を決意した。
原告代理人の平井健太郎弁護士は「入院時に患者の基本的な診療情報を確認さえしていれば亡くなることはなかった」と初動対応した医師をはじめ病院側の落ち度を指摘する。
医誠会は6日、赤穂民報の取材に「訴状が届いていないのでコメントしかねる」と回答した。
同医師は2019年7月から赤穂市民病院に脳神経外科医として在籍。医療過誤1件を含む8件の医療事故を起こしたとされ、当時の院長から手術禁止を命じられたまま依願退職し、その翌日に医誠会病院に救急医として採用された。関係者によると、現在は別の医療法人が運営する大阪府内の医療機関で勤務しているという。
同医師をめぐっては、赤穂市民病院での医療過誤の被害患者側から民事と刑事の両方で訴えられている一方、自身は専門医試験の受験を妨害されたなどとして、赤穂市と前院長、上司だった科長を相手取り、昨年10月に損害賠償請求訴訟を起こしている。
必要な透析治療を行わず患者を死亡させたとして遺族から提訴された医誠会病院=現在は医誠会国際総合病院として移転
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コメント
49 0
投稿:ドイツ 2024年03月01日13 83
投稿:小日本人 2024年02月12日今、どちらにおられるのですか?
人権、個人情報、個人を叩くのではなく組織の構造的問題を明らかにせよなどの問題はありますが、何よりも、いま、まさに当該医師がどこかの病院で腕を振るわれていれば、まさに、そこで命を危険に晒されている患者さんがいるのでは
この件を追ってこられた赤穂民報様にお願いします
教えて
101 3
投稿:心配です 2024年02月12日この一文が事件の全てを表しているなと思いました。
つまり、急患で受け入れてから容態が急変する日まで患者を放置してたって事ですかね?入院の判断は誰がしたんですかね?
>「どういう適応で入院との判断となったかは不明」などとカルテに記載
初動対応した医師は、患者を診ることはおろか、患者について過去の既往歴など一切の確認すらもしていなかったという事でしょうか?そもそもこれってカルテと言えるんですか?
そんな事ってありえますか?ないですよね?
でも「脳外科医竹田くん」を読んで、そんな馬鹿な事がありうるのだ、と言う事を理解しました。事実をもとにしたフィクションですが、事実は小説よりも奇なりです。
38 2
投稿:医師の現在の所属が知りたい 2024年02月12日80 1
投稿:許せない 2024年02月12日11 3
投稿:ぱ 2024年02月12日6 21
投稿:技士 2024年02月12日51 7
投稿:ちょっと、 2024年02月11日一時期話題になった漫画がありましたが、あれで取り上げられてた数々のエピソードも事実とすれば共通する点がより分かりやすくなります
端的に言えば注意力の無さで数々の問題を起こしているのです
漫画が話題になった時に何人かの現役の医師が指摘されていましたが、医師など一つのミスが命に直結する職業には決定的に向いていない特性の人物である可能性が極めて高い、しかし学習能力には問題がないので医師にはなれてしまうのです
そういう特性の人のほうが向いている職業もあったりするのですが、本人の希望と一致していないと無理矢理やらせる事もできない
今の時代なら小さい頃からそういう特性を見つけ出してうまく特性が活かせる方向に指導する事もできるのですが、この医師の子供の頃にはほとんど知られて無かった概念なので向いてない職業についてしまった
医師免許の剥奪は難しいですが、せめて医療期間には問題医師を安易に採用していただかないよう願うしかないです
39 1
投稿:太郎 2024年02月11日83 2
投稿:匿名希望 2024年02月11日全く持ってこの医師を擁護するつもりはないですが、前院での過誤と今回の件は関係性がないですよね?
なんか印象操作な気がしてもやもやします。
12 105
投稿:くまお 2024年02月11日赤穂市民病院の件で、医師としての能力が未熟なのはわかってるはず。
医師不足もあると思うけど、この様な医師が診療しているって怖いし、おかしいと思う。
84 2
投稿:元市民 2024年02月11日44 1
投稿:医師免許停止されないのが恐怖 2024年02月10日8 0
投稿:ぶらっけ 2024年02月10日111 1
投稿:赤穂市民 2024年02月10日8 0
投稿:とむ 2024年02月10日11 103
投稿:こんなん 2024年02月10日肺水腫で窒息した→ちょっと表現が微妙
慢性腎不全で透析が予定通りに進まなかったから肺水腫で呼吸状態が悪くなるのはわかるけど、基本的に進行性の病態の筈で徐々に具合が悪くなっていた筈。
竹田くん以外の看護師とかも目が節穴でだんだん具合が悪くなってたのを放置したのか、肺水腫はあったが別の理由(高カリウムからの不整脈など)で急変したのか、色々疑問が出る記事ではある。
51 4
投稿:竹田くんをまだ雇う病院があるとは 2024年02月10日日本人は、全体に思いを馳せずに、個に責任を追及して世から消し去って溜飲を下げるという発想が根強いと思います。今回、叩きやすい個だからこそ、全体がどうだったかもしっかり検証されて欲しいです。もちろん、初期対応医の責任は大きいですが。
27 144
投稿:小日本人 2024年02月10日156 2
投稿:只呆れる… 2024年02月10日21 164
投稿:ん? 2024年02月10日コメントを書く