伊部の山中に白蓮歌碑を訪ねて
2014年09月12日
歌碑を前に柳原白蓮の思い出を語る榊原清人さん
歌碑はJR赤穂線伊部駅から南東に直線距離で約0・6キロ、備前焼作家・榊原清人さん(74)が所有する「姑耶山(こやさん)」の中腹にある。高さ約1・6メートル、幅約1・4メートルの自然岩にはめ込まれた備前焼の陶板(縦37センチ、横66センチ)に、「あひがたき 天と大地と和田津海と 極みのはてに あひよるを見る 白蓮」と本人の筆跡が刻まれている。
白蓮は夫・宮崎龍介と旧知だった伊部生まれのインド研究家で文筆家、原田十兵衛の誘いで昭和36年に備前を訪れ、当時力を注いでいた国際平和運動をテーマに講演活動を行った。榊原さんの父で備前焼粘土研究家だった勤さん(故人)が姑耶山に建てた茶室「陶里菴」で原田らと語らい、勤さんの山荘「有楽荘」に宿泊した。歌碑の短歌はそのときに詠んだ2首のうちの一つ。「白蓮さんが伊部に来た証に」と勤さんら有志が小豆島から岩を取り寄せ、37年に建立した。
榊原さんは白蓮が姑耶山を訪れたときのことを今でもよく覚えている。
「白髪で小柄な方。お辞儀一つにも品格があった。品性がある人とは、こういう人のことを言うのだと思った」
白蓮は備前からの帰途で失明し、翌年の歌碑除幕式には龍介が代わりに出席。それから5年後の昭和42年、81歳で波乱の生涯を閉じた。榊原さんは「白蓮さんが伊部を訪れていたことを多くの人に知ってほしい」と歌碑と茶室を守り続けている。春にはサクラ、秋にはモミジが一帯を美しく彩るのだという。
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【関連記事】柳原白蓮の自筆書軸も「備前を訪れた人々」展
掲載紙面(PDF):
2014年9月13日(2103号) 4面 (10,402,606byte)
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コメント
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投稿:新見 2016年06月20日赤穂民報さま
貴重な現地情報ありがとうございました。近いうちにぜひ行ってみたいと思います。
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投稿:新見 2016年05月31日なお、地図にもありますように、山道の途中までは車で行くことができます。そこから歌碑までは残り約120メートルです。
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投稿:赤穂民報 2016年05月31日Googleで調べました。
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投稿:東備西播 2016年05月31日
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投稿:新見正裕 2016年05月30日コメントを書く