塩屋から新田にかけての農業用水路で４月下旬から６月にかけて水が黒褐色や赤褐色に濁り、通報を受けた赤穂市が水質検査した結果、基準値の１８倍にあたる窒素が検出された。地元農家が「原因を調べてほしい」と訴えている。
　市によると、５月７日に採水して検査機関で分析。農業用水基準（１リットル中１ミリグラム以下）を超える１リットル中１８ミリグラムの窒素を検出した。水源にあたる堂山池で採取した水からは１リットル中８３ミリグラムという高い数値が検出された。市は今月１０日、用水路の水質を再検査するための採水を行い、今月末には結果が出る予定だ。
　また、市の話では今月１日、新田地区で悪臭の苦情があり、現場周辺を確認したところ、同池付近の事業所が肥料を製造するために大量のかぼちゃを屋外で発酵させていたことがわかった。市は「特定はできないが、発酵したかぼちゃが大雨で堂山池に流れ込んだ可能性がある」（環境課）とみており、市の指導を受けた事業者は肥料の製造を「やめる」と話したという。
　同池の水質検査では、微量ながらカドミウム、鉛、溶解性鉄などの重金属類も検出された。現場一帯の農業用水はほぼすべてを大津川からの引水に頼っており、「現在は堂山池の水は使われていない」という。同課は「現状の数値を見る限りでは、広範囲な調査をしなければならない状況ではないと考えている」と話している。

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掲載紙面（PDF）：
2020年6月20日号(2375号) 3面 (10,873,809byte)
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