運転免許自主返納 5年前の6倍に
2018年09月15日
赤穂警察署に昨年1年間で自動車運転免許を自主返納した人数が5年前に比べて6倍以上に増加したことが同署への取材でわかった。
「ほとんどが65歳以上の高齢者」(交通課)で、同署は「高齢者の交通事故防止に社会の関心が高まる中、返納制度が周知され、重大な事故を起こす前に車の運転を自粛しようという意識が広まっている」とみている。
同署のまとめでは、同署に免許を自主返納した件数は平成24年の30件から毎年増加。同27年に100件になり、同29年には192件が返納した。今年に入ってからの返納数は9月10日時点で130件で、昨年とほぼ同じペースだという。全国では昨年1年間で42万2033件(暫定値)で、前年より7万6720件増加。そのうち約6割にあたる25万2677件が75歳以上で前年より9万0336件増えた。
一般に、加齢により視野が狭くなったり筋肉が衰えたりして運転時の操作ミスが起こりやすくなるとされる。警察によると、ハンドルやブレーキなどの不適切操作が原因の交通事故の割合は、75歳以上だと一般ドライバーの約2倍に増えるとの統計があるという。昨年3月には75歳以上運転者の認知機能検査を強化した改正道路交通法が施行された。警察によると、▽ウインカーの出し間違い、出し忘れ▽カーブをスムーズに曲がれない▽歩行者、障害物、他の車に注意がいかない▽車庫入れで塀や壁をこすることが増えた−といった症状が「自主返納を検討する目安」だという。
今年5月、高齢者の運転免許自主返納をテーマにしたミニ講座が加里屋の伯鳳会在宅ケアセンターで開かれた。「高齢の父に免許返納を提案したいが、どのように切り出せばよいか」という受講者からの質問に、講師を務めた介護支援専門員の川崎由美子さんは「いきなり返納を求めたり、一方的に強要したりすると、本人のプライドを傷つけて喧嘩になってしまうこともある」と指摘。「例えば、『もし、今度車をこすっちゃったら(返納を)考えようね』みたいに日頃から会話しておくのも一つの方法」と提案した。また、免許を返納しないまでも、「夜間は運転しない、市外には行かない」といった自主規制で事故のリスクを減らしている事例も発表された。
講座では、「免許を返納すると、老化が進んでしまうのでは」と心配する声もあった。この点について、高齢社会問題に詳しい正保橋町の社会福祉士、岩崎文子さんは「免許返納による喪失感や、出不精になってしまうことで一気に老け込む恐れはある」と話す。「免許を返納したとしても、趣味や友だち付き合いなどで人との交わりを持てる環境があるかどうかが分かれ目」とし、「家族が送り迎えしたり、一緒に出掛けてくれる近所の人があるなど、周囲のサポートがあれば望ましい。また、車を運転できなくても気軽に外出できるように、公共交通機関や乗合タクシーなどを拡充することが社会には求められている」と課題を挙げた。
警察は平成14年から免許を自主返納した希望者に身分証明書としても使える運転経歴証明書を交付(兵庫県は交付手数料1100円)。65歳以上で証明書を提示するとバスやタクシー運賃、宿泊・温泉施設で割引が受けられる仕組みを設け、高齢者の免許返納を促している。赤穂市内で受けられる主な特典は次のとおり(9月10日現在)。
▽ウエスト神姫(路線バス半額。現金での利用に限る、高速バスを除く)
▽御崎タクシー(乗車運賃の1割引)
▽赤穂タクシー(同)
▽赤穂ハイツ(入浴料600円→300円)
▽かんぽの宿赤穂(入浴料800円→650円)
掲載紙面(PDF):
2018年9月15日(2293号) 1面 (11,564,347byte)
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「ほとんどが65歳以上の高齢者」(交通課)で、同署は「高齢者の交通事故防止に社会の関心が高まる中、返納制度が周知され、重大な事故を起こす前に車の運転を自粛しようという意識が広まっている」とみている。
同署のまとめでは、同署に免許を自主返納した件数は平成24年の30件から毎年増加。同27年に100件になり、同29年には192件が返納した。今年に入ってからの返納数は9月10日時点で130件で、昨年とほぼ同じペースだという。全国では昨年1年間で42万2033件(暫定値)で、前年より7万6720件増加。そのうち約6割にあたる25万2677件が75歳以上で前年より9万0336件増えた。
一般に、加齢により視野が狭くなったり筋肉が衰えたりして運転時の操作ミスが起こりやすくなるとされる。警察によると、ハンドルやブレーキなどの不適切操作が原因の交通事故の割合は、75歳以上だと一般ドライバーの約2倍に増えるとの統計があるという。昨年3月には75歳以上運転者の認知機能検査を強化した改正道路交通法が施行された。警察によると、▽ウインカーの出し間違い、出し忘れ▽カーブをスムーズに曲がれない▽歩行者、障害物、他の車に注意がいかない▽車庫入れで塀や壁をこすることが増えた−といった症状が「自主返納を検討する目安」だという。
今年5月、高齢者の運転免許自主返納をテーマにしたミニ講座が加里屋の伯鳳会在宅ケアセンターで開かれた。「高齢の父に免許返納を提案したいが、どのように切り出せばよいか」という受講者からの質問に、講師を務めた介護支援専門員の川崎由美子さんは「いきなり返納を求めたり、一方的に強要したりすると、本人のプライドを傷つけて喧嘩になってしまうこともある」と指摘。「例えば、『もし、今度車をこすっちゃったら(返納を)考えようね』みたいに日頃から会話しておくのも一つの方法」と提案した。また、免許を返納しないまでも、「夜間は運転しない、市外には行かない」といった自主規制で事故のリスクを減らしている事例も発表された。
講座では、「免許を返納すると、老化が進んでしまうのでは」と心配する声もあった。この点について、高齢社会問題に詳しい正保橋町の社会福祉士、岩崎文子さんは「免許返納による喪失感や、出不精になってしまうことで一気に老け込む恐れはある」と話す。「免許を返納したとしても、趣味や友だち付き合いなどで人との交わりを持てる環境があるかどうかが分かれ目」とし、「家族が送り迎えしたり、一緒に出掛けてくれる近所の人があるなど、周囲のサポートがあれば望ましい。また、車を運転できなくても気軽に外出できるように、公共交通機関や乗合タクシーなどを拡充することが社会には求められている」と課題を挙げた。
警察は平成14年から免許を自主返納した希望者に身分証明書としても使える運転経歴証明書を交付(兵庫県は交付手数料1100円)。65歳以上で証明書を提示するとバスやタクシー運賃、宿泊・温泉施設で割引が受けられる仕組みを設け、高齢者の免許返納を促している。赤穂市内で受けられる主な特典は次のとおり(9月10日現在)。
▽ウエスト神姫(路線バス半額。現金での利用に限る、高速バスを除く)
▽御崎タクシー(乗車運賃の1割引)
▽赤穂タクシー(同)
▽赤穂ハイツ(入浴料600円→300円)
▽かんぽの宿赤穂(入浴料800円→650円)
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