土砂崩れの危険があるために隣接する市道が通行止めになっている目坂の山林斜面で、今月１４日から１６日にかけて土石の崩落が頻発。市は、「落石が地面で跳ねて飛散する恐れがある」として１７日にもネットフェンスを設置する。
　現場は千種川にかかる山陽道高架下から南約１００メートルで昭和４５年に月見草団地の造成用土を採掘した民有地。市建設課によると、１５日午後６時ごろ、赤穂署や近隣住民から「土石の崩落が続いている」などと通報があった。赤穂民報が住民に聞いた話では、「火曜日（１４日）の午前中から『ザザザー』と土砂が崩れるような音がしていた」という。
　斜面は少なくとも５０メートル四方にわたって山肌がむき出しになっている。本紙記者が現場取材した１６日午前には斜面から大小さまざまな土石が断続的に転げ落ち、時折まとまった崩落が発生すると「ドドド」という大きな音とともに真っ白な土煙が立ちこめた。
　現場の山林は平成２０年５月、コンクリート吹き付けによる擁壁工事を施していなかった部分で土砂崩れが発生。市が大型ブロックを積んで幅９・４メートル、高さ２・７メートルのバリケードを設置したが、２２年６月に起きた崩落で３０センチ角ほどの岩石がバリケードを越えて斜面直下を通る市道浜市高雄線に転落。市道はそれ以来通行止めが続いている。市は山林の所有者に損害賠償と防護柵設置を求める民事訴訟を起こしているが、大阪高裁で係争中で決着が付いていない。
　斜面に最も近い民家までは直線距離で約９０メートル。現地調査した同課によると、今回の崩落でも最大で５０センチ角ほどの岩がバリケードを越えて市道に落下。こぶし大の石が斜面と民家の中間辺りまで到達していることが確認されたという。
　市は１６日、通行止め区間への立ち入り禁止を徹底するための注意看板を現地に設置。１７日には市道沿いの約１００メートル区間にわたって高さ約１・５メートルのネットフェンスを取り付ける。同課は「今のところ、落石が民家まで到達する恐れはないと認識している。抜本的な対策は今後の検討課題だと考えている」と話している。
　斜面近くに住む女性は「ガラガラと石が転げ落ちる音が夜通し聞こえた」と不安な表情。別の女性は「家までは（石が）来ないとは思うけれど、やっぱり心配。何とかならないでしょうか」と気をもんでいた。

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2015年4月18日(2132号) 1面 (12,799,477byte)
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