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チコのセネガル通信(19)土地はあるけど水がない

 2015年07月11日 
村での暮らしに欠かせない井戸
 私が配属されているンドファンは1つの市と6つの村で構成されています。最近はその6つの村巡りをしています。
 村の住人は、ほとんどが落花生・あわ・とうもろこしを作っている大型農家です。乾季(10月〜5月)は木の下でゆっくりしている人たちも雨季(6月〜9月)は暑い中、畑に行って一日中せかせかと働きます。
 農業と畜産業を兼ねて営む家庭も多いです。牛や羊、山羊、鶏を主に育てています。「プラール族」の人たちは畜産業を生業としていて、家畜の群れを見ることができます。先日お話を伺った家庭は400頭の牛と2頭の馬を飼っていました。毎日村から歩いて草のあるところまで家畜を連れていき、ご飯を食べさせて帰ってきます。
 村では水の問題をよく聞きます。「井戸の水が枯れてしまった」「乾季も農業するのに井戸がほしい」「井戸にポンプがほしい」青年海外協力隊は現地で井戸を掘っているというイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、本当に井戸は必要とされています。一つの井戸を建設するのに日本円に換算して40〜50万円ほどの費用がかかり、住民が簡単に整備できる値段ではありませんし、井戸造りの担い手が町にいないことも問題です。
 水が無ければ料理も洗濯もできませんし、家畜も育てられません。土地はあるのに、乾季も働きたいのに、水が無いばかりに働けない人たちがたくさんいます。基礎的インフラの問題を感じながら何もしてあげられないのがもどかしいです。
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掲載紙面(PDF):
2015年7月11日(2143号) 3面 (12,666,009byte)
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