赤穂民報

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市民病院の経営形態移行 市民説明会まとめ〜全会場分

2025年11月23日

 赤穂市民病院の経営形態を指定管理へ移行する方針を固めたのに伴い、赤穂市が11月17日から12月2日まで市内9か所開いた市民説明会の主な質疑を赤穂民報でまとめた。



 質問の末尾のかっこ内は、その質問が出された説明会場。質問に対する回答がないのは、要望のみだったり、回答が確認できなかったもの。

 なお、類似の質問であっても、会場によって回答内容がやや異なったり、微妙なニュアンスの違いや変化がみられる場合は重複して掲載している。

 説明会の配付資料は記事の下にリンクあり。

 説明会日程は次のとおり。

▽11月17日(月)=城西公民館【終了】
▽11月18日(火)=高雄公民館【終了】
▽11月19日(水)=尾崎公民館【終了】
▽11月20日(木)=有年公民館【終了】
▽11月25日(火)=塩屋公民館【終了】
▽11月26日(水)=赤穂西公民館【終了】
▽11月28日(金)=御崎公民館【終了】
▽11月29日(土)=市民会館【終了】
▽12月2日(火)=坂越公民館【終了】

 * * *

《牟礼正稔市長の冒頭説明》

市長=赤穂市民病院は開院以来、赤穂市及び地域の医療提供体制の中核を担ってきた。赤穂市民病院を取り巻く環境は、近年、赤穂市をはじめ近隣市町の人口減少に伴い、入院、外来患者数が減少してきている。さらに、コロナ禍以降顕著となってきている。

 全国的な傾向でもあるが、医師や看護師をはじめ医療従事者の確保が難しくなってきており、市民病院も医師などの医療従事者の確保が難しく、不足は否めない。

 また、昨今の物価高騰等の影響や職員給与費の増加などで経営状況は厳しくなってきており、今後も継続が見込まれている。赤穂市及び地域に必要な医療サービスを安定的かつ継続的に提供していくためには、抜本的な病院事業の経営改革が避けて通れない課題だ。

 赤穂市及び地域の医療水準を維持し、医療提供体制を確保する観点から赤穂市及び地域医療の双方にとって最も望ましい経営形態を検討してきた結果、市民・住民の健康と命と守る砦の役割を果たすためにも赤穂市民病院を引き続き公立病院として維持をしていく。

 その上で、医師等の医療従事者の確保、民間手法による効率的な経営、政策医療の確保などを総合的に勘案して指定管理者制度の導入が最適との判断に至った。

 指定管理者制度の導入時期は令和9年(2027年)4月からと考えている。指定管理者制度の導入後も赤穂市民病院は公立病院として維持し、住民・市民の健康と命を守る砦として救急、小児科、周産期、感染症医療など政策医療を着実に実施していく。

 また、地域の医師会をはじめ、医療機関などとも連携し、地域完結型医療の確立に向け、地域に必要な医療を提供し、市民・住民が安全安心で質の高い医療を受けられるように、健全で安定した経営基盤の確立に向け、最大限努力していく。

 なお、診療所、赤穂市訪問看護ステーション、老健あこうについては、引き続き指定管理者に継続してもらうことになる。

 また、指定管理者制度の導入にあたり、現在開会中の市議会に、赤穂市民病院に指定管理者制度を導入するための条例改正案を提案している。また、指定管理者の指定にあたり、改めて市議会に提案し議決をいただくことになる。

 何卒ご理解をいただくよう、よろしくお願いします。

 * * *

《赤穂市民病院の収支見通し》

――資料1ページの収支見通しで、令和6年度(2024年度)決算と7年度(2025年度)以降で収益が約10億円減っている。どう見込んでいるのか。(塩屋)

病院財務課長=直近の数字から令和7年度の一日平均患者数を「入院186人、外来530人」と推定した。この患者減により、収益は約5億7000万円減少すると見込んでいる。また、令和6年度の基準外繰入金約8億円のうち、追加繰入の5億円については7年度は見込まず、当初から予定していた3億円の基準外繰り入れを見込んでいる。この差額5億円と患者減の約5億7000万円を合わせて約10億円の収益減と試算している。


――(今後の収支見通しは)令和9年(2027年)に本館の借金返済が終了してからの経営改善も見込んだ数字なのか。(尾崎)

病院財務課長=令和9年(2027年)に本館の企業債の償還が終了することを含んだ収支見込みとしている。


――(資料1ページで)令和7年度(2025年度)以降の収益見通しが横ばいになっている。下げ止まるということか。(御崎)

病院財務課長=令和7年度の試算を、後年度に伸ばした形で試算している。


――指定管理に移行するまでの1年半も経営改善していくとのことだが、その数字が出ていない。言葉が軽すぎる。(城西)

病院財務課長=令和7年度(2025年度)は経営強化プランに基づき、6億6000万円の赤字を目標に設定している。まず、この目標に経営改善に努めていきたいが、現状はなかなか厳しい状態が続いている。個別の目標としては、救急受け入れ2000台を確保、紹介患者数についても目標をもって地域との連携に励んでいる。


――令和8年度(2026年度)の収支見通しがマイナス16億円となっている。改善する予定はないのか。(城西)

病院財務課長=これまでも委託料、材料費の削減に取り組んできており、これ以上の支出削減は難しい。収益面では、患者数の減少傾向にどう歯止めをかけるか。地域の開業医との連携強化を目標に収入を確保していきたい。


――赤字解消のために収入と支出のバランスをどうするか、負債をどう整理するか、5年後にはどうなるのかが見えにくい。精査した上で説明会をやってほしい。(城西)

病院特命担当部長=今回は経営形態移行の方向性を説明した。収入、負債のバランスの説明がなかった点はおわびする。伯鳳会との詳細な協議はこれから。現時点で決まっていないことも多く、それらが固まり次第、説明会を検討したい。


――市民病院で現在働いている方は可能な限り残ってほしいとのことだが、それだと人件費の問題は解消されないのではないか。(城西)

政策担当課長=病床数に必要な人員配置は計画しているが、現時点では職員が過剰になるのか、不足になるのか見込みが立っていない。構想の実現と経営効率化の両立を図って今後調整していく。


――常勤医師が患者減の原因ならば、患者はこれ以上増えないのではないか。(城西)

病院財務課長=患者数の増減には、医師の確保が非常に大きく関わっていると考えている。大学医局を積極的に訪問して働きかけを続けていく。ただ、常勤医が不足している診療科がすべて患者が減少しているかというとそうではないので、常勤医が不足している中でもタスクシェアなどで患者数の確保に努めていく。


――負債がある市民病院を抱えて、伯鳳会は経営が成り立つのか。(高雄)

市長=資料6ページにあるが、まず不良債務の39億円は赤穂市で解消し、伯鳳会には負債のない状態で渡す。


――経営形態が変わっても、すぐに赤字が黒字になるとは思えない。(高雄)

市長=一定の委託料を支払うので、カバーできるのではないか。


――委託料(指定管理料)は、いつかの時点でなくなるのか。(高雄)

政策担当課長=(市民病院の収支が)黒字化したとしても、国からの交付金に相当する指定管理料は支払う。


――指定管理移行後、基準内繰入額は変わらないのか。基準内繰入でないと指定管理にする意味がない。(塩屋)

政策担当課長=総務省の操出基準は公設公営の病院が対象。公設民営の指定管理は、あくまでも業務内容に応じた指定管理料を協議して決める。ただし、公立病院を継続すれば地方交付税が市に交付されるので、その額を基準にしながら協議する。


――繰入金とは何か。(御崎)

病院財務課長=公立病院が経営的に厳しい不採算医療や政策医療を維持するために一般会計から繰り入れるものだ。


――資料のどこに金額が書いているのか。(御崎)

政策担当課長=繰入金は「収益」に含んでいる。総務省基準に基づいており、令和6年度(2024年度)の収益(80・9億円)のうち、だいたい4億円弱だ。それに加え、経営支援分として国の基準外で8億円を独自に繰り出した。


――市民病院と中央病院の収益は約80億円でほぼ同じだが、支出は10億円くらい違う。この差は何なのか。(市民会館)

病院財務課長=赤穂市民病院では医療従事者が医療に集中できるように医療以外の業務を外注しているが、そのあたりで違いが出ていることもあるかも知れない。


――どの程度までの赤字なら容認できるのか。(市民会館)

病院財務課長=赤字イコール全部現金が出ていくというわけではない。減価償却費などは収益では赤字にカウントされるが、現金の支出を伴わない。まずは現金の流出を止めることを一つの目標にしている。


――今後診療報酬が改定されれば、どういった病院経営が見込まれるか。(坂越)

政策担当課長=診療報酬は2年に一度改定されており、直近の令和6年度改定では0・88%の引き上げで、平成24年度には1・379%の引き上げだった。仮に3%の引き上げが行われたと仮定しても、赤穂市民病院の医業収益だと2億円程度の増収というところになり、過度な期待はできない。


――資料1ページの収支見通しの試算根拠を教えてほしい。(坂越)

病院財務課長=収益見通しは、令和7年度については直近の患者数から試算した。令和8年度(2026年度)以降は、7年度の収益見込みに診療報酬改定分を想定して加えている。支出見通しは人件費と薬品など材料費が年1%増、委託料は1・5%上昇するものとして試算した。


――資料1ページの収支見通しで、令和11年度(2029年度)の一時借入金累計が77・4億円となっている。どのようにして返済するのか。(坂越)

政策担当課長=一時借入金はいくらでも借りられるわけではなく、現在は30億円が上限となっている。この資料は、現状の病院経営を続けると令和8年度にも一般会計からの支援が困難になるので、経営改革を進めていきたいとの主旨だ。


――では、赤穂市としてはどう持って行きたいのか。(坂越)

政策担当課長=その質問の答えは資料6ページになる。指定管理者制度に移行する場合の「債務の解消」に必要な額39億円というのは、資料1ページの令和8年度(2026年度)の一時借入金累計34・9億円に赤穂市から市民病院に貸し付けている4億円を足した額。この債務を指定管理者への移行にあたり一般会計から負担する。



《経営形態移行に係る財政負担》

――赤穂市の負担額は今後どうなるのか。(塩屋)

政策担当課長=資料6ページの債務39億円の内訳は、昨年度(令和6年度)時点の債務11億円(一時借入金7億円と市からの貸付4億円の合計)に、令和7年度と8年度の一時借入金27・9億円を足したもので、移行後に速やかに精算する必要がある。そして退職金が最大28億円見込まれ、合計67億円が移行時の負担となる。


――経営形態の移行による財政負担が総合計で67億円、退職金で28億円とのことだが、今まで以上に市民負担が増えるのか。(城西)

総務部長=退職金については退職手当債、負債は市の基金と県の貸付金で対応する。一時的な負担を軽くして、後年度に負担を平準化しながら対応していく。特に5年間は厳しい財政状況になろうかと考えているが、できるだけ市民サービスが低下しないようにやっていきたい。


――移行時の市の財政負担が67億円とのことだが、市民サービスなど市の事業に影響が出るのではないか。(有年)

総務部長=令和9年度(2027年度)から5年間程度が最も財政的にきつい。市民サービスへの影響が少なからずあると考えているが、できるだけ影響がないように後年度の負担に平準化していきたい。今回決断しないと、逆に行政サービスが本当に下がってしまう。
財政課長=行政サービスへの影響は少なからずあると考えているが、可能な限り影響がないように事業の仕分けを今進めている。


――資料3ページ(病院事業会計への追加支援)で、令和7年度に9・8億円、8年度に13・8億円などと金額が書かれているが、今後も赤穂市民病院がそれだけお金を吸い込んでいくのか。(赤穂西)

財政課長=資金不足率が10%を超えないために必要な金額を書いている。令和9年度以降の金額は、現状のまま病院経営を続けた場合に必要になる金額なので、指定管理に移行すれば発生しない。


――資料6ページでの「経営形態の移行に係る財政負担」で、地方独立行政法人に移行する場合の債務は67億円、指定管理者制度か民間譲渡の場合は39億円となっている。この差額について。(市民会館)

政策担当課長=地方独立行政法人に移行する場合の準備期間が指定管理者の場合よりも2年長くかかるとされており、その間に増える負債分を見込んでいる。



《経営形態を指定管理者とすることについて》

――指定管理者制度とは何なのか。(赤穂西)

病院特命担当部長=公の施設の管理に民間の豊富なノウハウを活かして施設の特性を発揮し、市民サービスの向上を図るとともに、経費の削減等を図ることを目的に、地方公共団体が指定する民間事業者を含めた法人等に、施設の管理運営を行わせる制度だ。


――議会は関与できるのか。(坂越)

政策担当課長=市と指定管理者が協定を結ぶ場合、地方自治法により議会の議決が必要。その後も毎年度、予算と決算を議会に諮る。


――経営形態ごとの開設者、経営主体を説明してほしい。(坂越)

政策担当課長=公設公営は、開設者は地方公共団体で経営責任者は病院事業管理者になる。独立地方行政法人(独法)も形式的には公設公営で開設者は地方公共団体、経営責任者は独法の理事長になる。理事長は開設者が確保する必要がある。指定管理者制度は公設民営の区分で、開設者は地方公共団体、経営責任者は指定管理者になる。ただし、病院の指定管理者を引き受けられるのは社会福祉法人と医療法人に限られている。民間譲渡は、開設者は民間法人で、経営責任者も民間法人の長となる。


――なぜ、公的な割合が多い独立行政法人よりも民間の割合が多い指定管理者制度を選んだのか。(坂越)

政策担当課長=独立地方行政法人だと赤字が出れば市が補填する。指定管理者制度では基本的に赤字部分は指定管理者の負担になる。契約で指定管理料を決めるので、一定の基準で止められる。また、先行事例では独立地方行政法人への移行には3年半〜4年程度の時間を要するのに対し、指定管理者は1年半〜2年で移行できる。


――中央病院に丸投げして、後は何とかやってくれということか。(城西)

市長=丸投げして経営改革してもらおうというわけではない。


――丸投げしないと言いながらも実質丸投げになるのでは。いっそ、民間譲渡した方がいいのでは。(坂越)

市長=民間譲渡すると、これまで赤穂市が守ってきた地域医療、市民の健康と命の砦である市民病院を除去してしまう。


――指定管理者に市民の声は届くのか。(坂越)

政策担当課長=丸投げではなく、あくまでも市が関与していく。市民の意見は市と指定管理者が一緒に対処していく。


――公立病院として維持する市民にとってのメリットを明確にしてほしい。(城西)

市長=市民病院は現在産科は休止している。小児科も医師の確保が十分ではない。救急も医師等が確保できなければ受け入れられない。これら政策医療、不採算部門を守るために公立病院を維持する。中央病院に指定管理をお願いすることで産科が復活できる。小児科も両方を合わせることで今後も常勤医を確実に確保できる。救急、かかりつけ医からの紹介患者も一本化することによって必ず市民病院が受ける。感染症患者の受け入れや災害医療、検診センターといったものも維持できる。公立病院として赤穂市のコントロールが効くようにやっていきたい。民間に売り渡してしまうと、ものを申せない。


――公設とは病院の保有建物や設備などの資産は市が保有し、維持管理することと理解している。建物の減価償却費を含め維持管理の費用は試算しているか。設備の範囲は。(有年)

病院事務局長=医療機器などの設備は、通常の修繕は管理運営費の中で(指定管理者に)やってもらう。もっと大きな設備や建物など固定資産にかかわるものは、これから詰めていくが、基本的には市が担当することになろうかと思う。
政策担当課長=これまで減価償却は市と病院で半分ずつ支払うルールでやってきており、今後の協議にはなるが、基本的には今後も指定管理者に2分の1を負担してほしいというのが基本的な考え方だ。


――指定管理制に移行する前に、ダウンサイズする検討はなかったのか。(尾崎)

病院事務局長=国から許可されている病床数360床に対し、現在の一日平均入院患者数は約200人なので、減らせばいいじゃないかと言われるかも知れないが、病床数を減らすことによって国からの交付金であるとか。看護師も360床ではなく200床に応じた配置にしているため、病床数を減らしても職員の数は減らず、画期的な経営改善にはならない。


――指定管理に移行しても赤字になった場合はどうするのか。(赤穂西)

市長=赤字にならないように経営努力してもらう。一定の指定管理料を支払うので、黒字化を目指してほしい。


――民間譲渡した方がよいのでは。(赤穂西)

市長=民間譲渡した場合、なかなか収益が上がらない救急や小児科、産科周産期、感染症などに対する政策医療をしてもらえない可能性もある。


――市長はこれまで市議会では一貫して現在の病院のまま運営すると直近まで言っていた。なぜ、突然尻に火が付いたようにあたふたとなったのか。(御崎)

市長=令和4年1月に、令和2年度決算が大幅な赤字だったため、「あり方検討委員会」を設置した。どうすればよいか諮問した結果、検討委の報告書は「赤穂市民病院は公立病院として維持する。当面の間は全部適用で維持する」との提言を受けた。しかし、キャッシュフローがなかったため、一時借入金で運営資金をまかなってきた。令和3、4年度はコロナ補助金などで一時借入金は返済できたが、その後も一時借入金を借りなければ運営できない状態がずっと続き、近い将来、市の基金がなくなるのは目に見えている。今年2月の特別委員会で議員から質問され、苦渋の決断で経営形態を検討すると答弁した。今年度から特命担当を設けて検討した結果、経営改革の方針として指定管理者制度を設ける決断をした。市民には唐突な話かも知れないが、市民病院と赤穂市の行く末を考えて判断した。


――特命担当は医療に関してさまざまな経験を積んだ人たちか。(御崎)

市長=医療の経験者ではないが、病院と相談しながら今日までやってきている。


――古城先生は「病院経営は難しくない。ちゃんとやれば黒字は出せなくても、運営が危機に瀕することはない」とおっしゃって、東京や大阪などでいくつも病院を経営している。赤穂市も古城先生に学んで市民病院を立て直し、残す方向で検討してほしい。(御崎)

病院財務課長=人口減少や医師不足といった課題がある中、この地域に2つの大きな病院が並立する持続可能性を考えると難しい。


――市民の財産であり、宝である市民病院を残すべきだ。(御崎)

政策担当課長=今の経営形態のままだと、市民病院を閉院せざるを得なくなる。民間頼りと言われればそれまでだが、施設の効用を最大限発揮するには伯鳳会による指定管理が一番好ましいとの判断で方針を決定した。


――患者を地域の診療所や個人病院に送り込んで、自ら患者を減らしてきたのではないか。患者増に努力したとは見えない。(御崎)

病院財務課長=当院は地域医療支援病院で、開業医から患者の紹介を受け、治療が終われば開業医に返すスタイルをとっている。


――今年(2024年)4月に病院特命担当を配置して以降、現状の赤穂市民病院の存続に向けてどういうことを話し合ったのか、はじめから指定管理者ありきで話が進んだのか。(市民会館)

市長=あらゆる可能性を検討して、最終的には指定管理者制度を導入するという結論に至った。
政策担当課長=地方公営企業法の全部適用をできる限り維持することをまず考えたが、一般会計が財政破綻して市民サービスに影響が出ることを勘案した結果、最速のタイミングで経営改革を図らなければならないということで検討を行った。我々が検討して市長が決断を下す。病院職員も一緒に検討した。市民病院の職員にも我々だけでなく、市長、市民病院の職員で丁寧に説明したい。



《医療法人伯鳳会を指定管理者候補とすることについて》

――伯鳳会とすでに契約したのか。(高雄)

政策担当課長=現在は正式に契約を取り交わしたものではない。市民病院の経営状況、赤穂市の財政状況から令和9年(2027年)4月の経営形態移行を目指して進めている。伯鳳会とは指定管理を受けてもらうことについて大筋了承いただいたというところ。来年度のしかるべきタイミングで議会に議案をはかった後、協定を結んで正式に指定管理者に指名される。


――伯鳳会と協定を結んでいないのは、どういうことか。(塩屋)

病院特命担当部長=現在協議を進めており、内容が決まり次第、議会の議決を経て協定を結ぶ。現在は候補先として協議を進めている段階だ。


――基本的な方向性について合意できているのか。(塩屋)

病院特命担当部長=方向性については合意を得ているが、詳細な部分については調整している。


――今年6月に市長が伯鳳会の古城理事長に会ったとのことだが、なぜ、指定管理者を公募しないのか。(尾崎)

市長=6月末に会ったのは事実だ。公募も選択肢としてはあるが、公募だと、どんな法人が応募するか未確定。公募してくれるところの調査から入らなければならず、あまり時間をかけられなかった。一方、中央病院は赤穂市内の総合病院なので、ある程度実態はわかっている。中央病院が持っているノウハウと市民病院がこれまで果たしてきた役割のいいところを出し合いながらやっていくことができるのではないかという判断の下、公募せずに進めた。また、赤穂市の規模、圏域の規模で2つの総合病院が共存できる環境ではなくなっている。2つの総合病院を統合することによって地域医療が守れるとの判断で今回は公募しない判断に至った。


――「伯鳳会が最も望ましい」と判断したとのことだが、いくつかの病院と話して検討したのか、それとも最初から伯鳳会のみと話したのか。(市民会館)

政策担当課長=今後の医療需要の変化に伴う地域全体の診療体制の維持、医療人材の確保を考えれば、市民病院と中央病院の連携を一層進めて診療・病床機能の集約化と再編を図ることで持続可能な地域医療の安定提供の実現につながると考え、今回は非公募で伯鳳会に決定した。


――市長が6月に伯鳳会の理事長に相談したというが、それまでに京都大や神戸大などの関係大学や養成医を派遣する兵庫県に相談したのか。(有年)

市長=その時点では大学には話はしていなかったが、医師の派遣については、相前後して派遣元の大学や病院に要請している。兵庫県についても同様だ。


――古城理事長と話をする前に県や大学と話をしていないのは順番を間違えていないか。(有年)

市長=6月末に会ったのは確かだが、なにも「どうぞやってください」という意味ではなく、意向確認をした。県にはそれまでアドバイスを受けており、指定管理者にするなら医師や養成医を派遣してもらえるという前提だった。各大学には前後はあるが、速やかに方向性は説明し、段階ごとに固まった時点で病院から説明している。確約はないが、口頭で協力をお願いし、それなりの返事をもらったと聞いている。


――伯鳳会と赤穂中央病院はどういう関係なのか。(尾崎)

政策担当課長=伯鳳会は1962年に古城外科からスタートして現在中央病院となっている。中央病院を経営しているのが医療法人伯鳳会だ。伯鳳会は中央病院を含めて6つの病院を中心に2診療所、4つの介護老人保健施設、各種通所施設、身体障害者授産施設、医療専門学校など40近い事業所を運営している。


――指定管理者が途中で放り出すことはないのか。(有年)

政策担当課長=さまざまな調整を進めて協定を結び、そういうことがないように条件をすり合わせて収支計画を立てる。実現可能性を市としても評価するし、議会にも上程し、無理のない収支計画とする。


――伯鳳会理事長のインタビューの内容のとおりなのか。(有年)

市長=古城理事長は赤穂民報のインタビューに応じていろんな発言をされているが、赤穂市と十分調整した決定事項でもない。思いを述べられたのだと思う。その点は誤解のないように理解してほしい。決まっていることもあるかも知れないが、詳細にどれが決まって、決まってないとか言えない。


――インタビュー記事は理事長がでたらめを言っているので忘れろということか。(有年)

市長=そういう意味ではない。まだ決まってないことがあるので、決まったら正式にさまざまな手段を講じて伝えたい。
政策担当課長=指定管理者として一緒にやっていく伯鳳会の古城理事長の構想であると市としては認識している。選定療養費にしても院内処方にしても、医師会や薬剤師会などさまざまな調整がいる。市としては立場上、そうした調整をクリアしないと、こうしていく、こう決まる、とは言えない。立場の違いがある。古城理事長の構想を市がまったく理解していないのかというと決してそうではないが、ここで市として決定事項と言うことはできない。


――赤穂民報に掲載された伯鳳会の古城理事長のインタビュー記事の内容がベースになるのか。(坂越)

病院特命担当部長=インタビュー記事は、赤穂民報の独自取材に伯鳳会の理事長が自身の構想や思いを述べたものと認識している。その中で選定療養費や病床数、診療機能、院内処方などが記載されていたが、これらは市と伯鳳会との協議合意だけで決定できるものではない。兵庫県、医師会、歯科医師会、薬剤師会との協議、調整が必要で、現時点ですべての案件で確定していない。ただ、市としても同じ方向性で考えていきたいとは思っている。説明会でさまざまな意見があり、すべてを取り入れらるかわからないが、地域医療を守るために取り入れるところは取り入れて伯鳳会との協議、調整を進め、改めて報告する。


――決定した後の報告になるのか。(坂越)

政策担当課長=次回の説明は、ある程度、協定案がまとまった段階での説明になる。


――インタビュー記事には、院内処方のこととか踏み込んだ内容が書かれていた。伯鳳会の勇み足ということか。(塩屋)

病院特命担当部長=赤穂民報の独自取材に対して、古城理事長が赤穂市民病院の指定管理者になった場合、赤穂市民病院の経営体制に加え、赤穂中央病院を含めた2病院でどのように将来に向けて持続可能な地域医療の提供体制を確保していくのか、ご自身の構想や思いを述べられたものと認識している。


――あの通り行くとは限らないか。(塩屋)

病院特命担当部長=おおむねそのような形になるかもわからないが、まだ決定していない。


――伯鳳会との交渉がうまくいかなかった場合に備えて、伯鳳会以外の可能性も考えて公募もかけておいた方がよいのでは。(塩屋)

市長=2つの総合病院を統合することで地域医療を守っていくとの考えでここに至っている。今のところ、伯鳳会と方向性は一致しており、公募という考えはとりにくい。


――この計画をやっぱりやめようとなったとき、修正できるのか。(赤穂西)

政策担当課長=市の方針としては決定している。経営形態移行が遅れると、毎月1億円以上、市の負債が加算されていく。人口減に伴って医療需要が絶対に下がっていく見込みの中、地域医療全体から見ても今取り組むべき必要不可欠な取組だ。


――この説明会の内容は、前もって伯鳳会と精査できているのか。(御崎)

病院特命担当部長=10月8日に伯鳳会から指定管理者を引き受ける回答を得て以降、さまざまな協議をしている。方向性は同じ方向に向かっている。


――民間病院は「利益目的」というイメージで不安がある。(御崎)

政策担当課長=指定管理者に対して、毎年事業報告書の提出を義務付け、必要に応じて実地調査を行うなど、定期的にモニタリングを行う予定。アンケートを取り、伯鳳会に患者の意見を伝えることは可能だ。


――民間の経営ノウハウを取り入れるのは良いが、しっかり市が管理してほしい。(御崎)

市長=公立病院として赤穂市民病院を維持するのは、赤穂市のコントロールを働かせるためだ。


――これまで市民病院をちゃんと運営できなかった赤穂市が、指定管理に移った病院をコントロールできるわけがない。(御崎)

政策担当課長=「コントロール」というのは、「経営に口出しする」という意味ではなく、指定管理料を支払う中で、「協議しながら進めていく」ということだ。


――交渉ごとだから今は言えないというのもわかるが、伯鳳会の構想が見えている中、赤穂市としてどのように持って行きたいのか骨子が見えない。(坂越)

市長=古城理事長の構想は、我々も一つの判断材料として考えている。ただし、決定事項ではない。



《移行後の市民病院〜医療》

――現在かかっているお医者さんに継続して診てほしいが、医師は残るのか。(城西)

市長=現在、市民病院に勤務している医師、看護師、医療従事者は、原則指定管理者の方に移っていただきたいと考えている。公務員として赤穂市に残りたい、都合により退職したいという方には強制できない。基本的には伯鳳会に身分を移していただくために退職金を計上する。非常勤医師も含め、できるだけ残ってもらえるように大学病院に話しているし、これからもお願いしていく。


――医師、看護師の数は減るのか。(高雄)

病院総務課長=職員配置、診療科とか医師の人数などはこれからの協議事項だが、2つの病院を統合する形で病床数を増やすこともあり、想定としては増えると考えている。具体的な数字は決まっていない。
市長=こんな形で病院が出発するということが決まれば、改めて説明会をしたい。ここで申し上げて、その通りにならないこともある。


――医局に帰る医師もかなり出てくるのではないかと心配している。それなりの人数を確保できる担保はあるのか。(尾崎)

病院事務局長=そういうことのないように市と法人と力を合わせて取り組んでいく。担保はないが、説明を尽くしていく。


――医師、看護師の体制を維持して指定管理の移行を迎えられるのか心配。何か手を打っているのか。(塩屋)

人事課長=病院職員には指定管理移行時の選択肢について何回か説明会を行った。


――看護師が減って病床数を減らさないといけないとか、医師が確保できないので外来が制限されるとかはないと約束できるのか。(塩屋)

人事課長=伯鳳会と市民病院の職員を合わせて市民病院の医療機能を継続していきたい。


――すでに次の職場を探している職員もあると聞く。指定管理に移行するまでの残り期間、安心して医療を受けられるのか不安がある。(塩屋)

病院総務課長=職員も非常に不安を持っている。職員に答えられることは答え、今後決まることは決まり次第知らせる。できるだけ不安を取り除く努力をしている。


――兵庫県に養成医の派遣をもっとお願いしてほしい。(塩屋)

市長=兵庫県から、今後も赤穂市民病院に派遣していきたいとの言葉をもらっている。指定管理移行後も中央病院と連携して取り組んでいく。


――市民病院でしかできない医療、逆に中央病院でしかできない医療があると思う。(塩屋)

市長=2つの病院を合わせることで医療サービスを現状維持していきたい。特に救急、周産期、小児科といった政策医療はしっかりと市民病院でやっていくようにお願いしていきたい。


――外来と救急を市民病院に一本化する構想については赤穂市としても、そうしたいと考えているのか。(市民会館)

政策担当課長=そう考えている。

――外来診療も市民病院に統合するとのことだが、市民病院でしかやっていない外来機能をなくさないでほしい。(城西)


――市民病院の循環器科の先生の診療姿勢に感銘を受けた。そういう先生を増やして、よい医療体制になるようにお願いしたい。(城西)


――市民病院は予約制なのに待ち時間が長い。外来を市民病院に一本化すると、さらに長くなるのでは。なおかつ、院内処方にもなると、さらに待ち時間が長くなるのでは。(城西)

政策担当課長=外来の一本化についても構想であり、これから医師会や各方面との調整がある。今後変動があるかもわからない。伯鳳会とは、まずは使いやすい病院、利便性の良い病院と併せて効率化を図る、集約化、機能分化を図っていくことを協議している。


――平日の午後、土曜も診察するようになるのか。(御崎)

病院特命担当部長=できる限り進める方向で協議している。


――入院について、急性期を市民病院、慢性期を中央病院に棲み分けする構想についても賛同しているか。(市民会館)

政策担当課長=今後に協議していく。元々、現在の市民病院には慢性期病棟はない。中央病院に残る部分を市が管理できるかというと、できない。病床機能については、病院単体で計画できるものではなく、地域医療構想調整会議で合意形成をはかっていくものと考えている。


――初診時選定療養費はどうなるのか。(城西)

市長=赤穂市としては患者負担のないように取らない方向で調整していきたいが、県、国、医師会との調整が必要で、病院だけで勝手に決められない。


――古城理事長は、院内処方に一本化するという話をしている。院外薬局の居宅療養を利用している患者への対応はどうなるのか。(城西)

市長=院内処方導入は現時点で決まっていない。
政策担当課長=院外処方を全くしないということではなく、院外処方を希望される方は院外処方が可能だ。伯鳳会の想定では、処方箋の出る患者の1割程度(※編集部註:説明会では「3割程度」との発言があったが、後で市から訂正がありました)が院外処方を希望するようだ。


――地域医療支援病院の指定を取り消したり、院内処方に戻すなどというのは時代に逆行している。(尾崎)

市長=古城理事長がいろいろおっしゃっているが、まったく決定したわけではない。国や県との相談、地域の医師会、医療機関とも調整せず一方的にできない。


――中央病院が指定管理になった場合、院内処方になると利用者にとって影響が大きい。(市民会館)

病院特命担当部長=院内処方、選定療養費、病床数や診療機能などは、まだ何も決まっていない。いただいた意見を含めながら今後協議していきたい。


――院内処方について、市はどう考えているか。(市民会館)

政策担当課長=院内処方を協議しているが、100%するものではないと聞いている。院外処方を希望する患者は引き続き院外処方が可能とするよう考えており、院外処方を断るようなことがあってはならない。院内処方が患者に便利なこともある一方、効率化や経費面も考慮しないといけない。薬剤師会などとの合意形成も必要だ。


――救急はすべて市民病院になるのか。(城西)

市長=現在、市民病院に約2000件、中央病院に約1000件の救急搬送があるが、すべて市民病院に統一する。


――老健あこうはどうなるのか。(尾崎)

病院事務局長=老健あこうも市民病院と一体的なもののため、併せて管理をお願いしたいと考えている。


――送迎バスで中央病院にかかっている日生、上郡方面の患者の今後の来院手段について考えてほしい。(城西)


――市民病院の診察券はそのまま使えるのか。(高雄)

病院総務課長=今のところ決まっていない。今後協議する。


――地域診療所を廃止されると困る。(有年)

政策担当課長=公立病院が実施する政策医療には診療所を必要な地域に提供する責務があり、財源も国から出るので、地域診療所は継続する方針だ。


――ホームレスや助かる見込みのない患者など、公営の市民病院だからこそ受け入れできてきた患者があるのでは。利益が見込めない患者のセーフティネットは継続されるのか。(塩屋)

病院事務局長=そこが公立病院として存続する理由だ。健康と命の砦を守るために公立病院として維持していく。


――中央病院の外来が市民病院に一本化されると、現在中央病院に徒歩や自転車で通院している患者にとっては不便になる。中央病院の外来を残してほしい。(塩屋)

政策担当課長=説明会で出た意見をもって伯鳳会と協議を進めていくとしか言えない。しかし、病院の集約化、機能分化を図っていくことは避けて通れない課題で、地域医療を守るには一定の効率性が求められる。


――外来、救急を市民病院に一本化した場合に必要な医師、看護師の数を見積もっているか。(赤穂西)

病院事務局長=診療機能、病床数をどうするのかによって決まるので、この場で答えるのは難しい。


――中央病院は現在、入院、外来それぞれ何人の患者を受け入れているのか。(赤穂西)

病院事務局長=承知していない。


――患者数が減る中で赤字を減らすには、患者負担が大きくなるのでは。(御崎)

病院財務課長=患者を減らすことを目的にしているのではなく患者を増やしていく。患者負担は診療報酬で決まっている。金額が上がることはない。
政策担当課長=中央病院との一体的な運営となり、外来機能の集約化や再編を図る。伯鳳会は市民病院と中央病院を合わせた経営計画を立てていく。重複する診療科を一つに集約して効率化を図っていく。一人当たり診療単価を上げていくというイメージは誤解がある。


――人口が減っているのに、患者を増やせるのか。(御崎)

政策担当課長=市民病院だけで言えば、患者は増える。


――外来を一本化して待ち時間が長くなるのは、患者のことを考えず、経営の効率化を考えているように見える。(市民会館)

市長=ご意見も踏まえて今後中央病院と話をしていく。


――診療機能の集約化を図った場合、診療時間やスタッフの配置など市民病院のシステムはどう変わるのか。(坂越)

病院財務課長=今後伯鳳会との協議を進めていく。患者の利便性、診療の質が低下しないように調整する。


――2つあった病院を集約すると、そこが受け入れを断った患者の行き先がなくなってしまう。(坂越)

市長=医師会には、すべて決まってからではなく、いろんな形で意見をうかがう。市民には丁寧な説明をしていく。



《移行後の市民病院〜医療以外》

――指定管理の契約期間は何年か。(城西)

市長=10年を想定している。


――減価償却費を市が負担する必要はあるのか。(高雄)

政策担当課長=減価償却費は現在、病院と市で2分の1ずつ負担している。指定管理後も今後の協議にはなるが、一定の率を伯鳳会に負担してもらう。


――病院名はどうなるのか。(高雄)

市長=「赤穂市民病院」の名前はそのまま残る。


――医療過誤からの信頼回復のために「赤穂市民病院」の名称を変えるべき。(赤穂西)

市長=今のところは「赤穂市民病院」を継続したい。貴重な意見なので参考にしたい。


――今の市民病院の職員が伯鳳会に移行したとき、中央病院のやり方についていけるのか。(高雄)

市長=私は市民病院と中央病院の両方にかかっているので、おっしゃることはよくわかる。サービスが低下しないように赤穂市としても申し上げていく。


――赤穂市や議会は病院経営に関与したり、意見したりできるのか。(高雄)

政策担当課長=公立病院として維持するのが大前提なので、今後も市と議会は関与し続ける。毎年度、実績報告を求め、予算・決算でも必要な説明を行っていく。必要に応じてモニタリングを実施する。


――赤穂市病院事業で借り上げている医師の住居の契約名義はどうなるのか。今後の医師住居の確保は伯鳳会が担当するのか。(城西)

病院総務課長=現時点で回答できない。今後伯鳳会と協議する。


――指定管理移行時のシステム変更費は市が負担するのか。(有年)

病院事務局長=市民病院と中央病院ではシステムが違う。どちらかに統合するのか、また費用負担についてはこれからの調整で決定する。


――(指定管理移行後に)新たに設備を整備した場合の費用も半分は伯鳳会、半分は赤穂市が負担するのか。(塩屋)

政策担当課長=その通りだ。


――二期構想の借金はどうなるのか。(有年)

病院財務課長=令和6年度(2024年度)末の企業債残高は29億2000万円で、これを令和29年度(2047年度)まで年1億3000万円ずつ赤穂市が償還していく。


――委託先の事業戦略や人事配置に市は関与できないのではないか。(有年)

政策担当課長=市と指定管理者で詳細な契約、協定を結ぶ。施設の利用状況や収支状況等の事業報告書の提出を義務付け、必要に応じて実地調査やモニタリングを行う。利用者アンケートも実施できるような規定になり、市がしっかりと管理していく。


――指定管理に移行する令和9年4月までのスケジュールは。(塩屋)

市長=指定管理者制度を導入する規定を設けるための条例改正案を開会中の11月議会に上程した。条例ができれば、本格的に伯鳳会と協議し、県や医師会とも調整する。大枠がまとまれば、来年(2026年)9月議会を目途に伯鳳会を指定管理者にするための議案を諮りたい。今後精力的にスピード感をもってやっていくので十分間に合う。


――指定管理委員会で承認されなければどうするのか。(塩屋)

政策担当課長=指定管理者を公募する場合は指定管理委員会を設置するが、今回は非公募のため、委員会を開催する予定はない。


――患者サービスが悪くならないか心配だ。(赤穂西)

市長=接遇面は開設者として責任をもってやっていく。不具合があれば、指定管理者に申し入れ、サービス低下のないように進める。
政策担当課長=毎年の指定管理業務で、利用者の満足度調査も行う。


――その話は市長がするのか。(赤穂西)

市長=私だけではなく、各担当者が役割分担して伯鳳会と話し合う。


――指定管理料はどれくいらの額になるのか。(赤穂西)

政策担当課長=診療所や病床数、救急病院ということで国から交付税に算定されている額としては令和6年度(2024年度)決算で約3億1300万円。これは年度によって変動がある。


――中央病院の手腕に期待したいが、もし指定管理者から手を引いたら、市民病院は閉院となるのか。(御崎)

病院特命担当部長=万が一、契約期間の途中で指定管理者が撤退する事態になった場合は、次の指定管理者を市が選定して業務を引き継いでもらう形になるが、まずはそうならないように毎年度しっかりと評価し、伯鳳会に指定管理を続けていってほしいと考えている。


――指定管理者で黒字が出た場合、赤穂市に戻るのか。(御崎)

政策担当課長=黒字はすべて指定管理者の収入になる。


――利益あるいは損失が出た場合の扱いはどうなるのか。(市民会館)

政策担当課長=一般的な要因による赤字は指定管理者が負担するのが基本的な考え方。逆に黒字になっても市がその分を受け取ることはなく、伯鳳会の連結決算となる。


――統合した場合(指定管理者に移行した場合)は市は赤字を負担しなくてもよいのか。(市民会館)

政策担当課長=市の考えとしては、指定管理料以外は支出しない。通常の経営の中での赤字は指定管理者に負担してもらう。


――指定管理料のほかに施設改善や設備購入、伯鳳会に移る職員の給料補填など赤穂市から金が出て行くばかり。あんな素晴らしい病院にお金をつけて渡すのか。(御崎)

市長=協定を結ぶので、売り渡すのではない。


――「売り渡す」というのは、相手からお金をもらうときだ。お金をもらうどころか、こっちがお金をつけて送り出すことになる。(御崎)

市長=設備投資の負担割合は今後決めていく。一方的に赤穂市がお金を出して管理をすべて委託するわけでなく、伯鳳会にも一定の負担をしてもらうこともある。


――今後に医療機器を更新する費用の負担はどうなるか。(市民会館)

政策担当課長=過去に整備した機器に同じく、2分の1は指定管理者の負担、残り2分の1は赤穂市が負担していくというのが市の考え。


――資料13ページにある「スケールメリット」とはどういうことなのか。(市民会館)

政策担当課長=中央病院との集約化、再編化を図り、できる限り外来を一本化する構想であり、重複している医療資材や医療機器に関する経費を減らせる。また、伯鳳会はグループ全体で11病院を経営しており、物品の一括発注など規模を活用した対応が期待できる。


――病棟の再編や院内処方などの構想は、徐々に変化を進めて令和9年4月には伯鳳会が理想とする形にもっていくのか、それとも移行までは今のままで、以降後に変化が進んでいくのか。(市民会館)

政策担当課長=令和9年4月1日を目途に交渉を始めたばかり。今後実際に現場を見て協議を進める中で構想の変更などもあり得ると考えており、今の時点ではっきりしたことは言えない。


――民間経営になって給料、待遇が悪化して職員のモチベーションが下がり、不採算部分がカットされると、経営的にはうまくいったとしても、地域医療としてはうまくいったとは言えない。赤字改善に向けて市民や職員とのコミュニケーション、病院幹部との話し合いが必要だ。(市民会館)

市長=職員への今回の方針説明は今後丁寧にやっていく。赤字改善に向けて病院幹部と引き続き話し合っていく。


――現在はコミュニティバス「ていじゅうろう」「ゆらのすけ」は午後4時以降、市民病院には停まらない。交通機関との連携をどう図るか。(市民会館)

市長=現在、市民病院は午後診をしている診療科が少ないため、遅い時間に行くバスがない。中央病院には昨年10月からバスが停まるように配慮した。今後の需要を見込んで検討していくので、今は確たることは言えないが、中央病院の外来を市民病院に一本化するのであれば、当然それなりのことを考えてやっていく。


――外来を市民病院に一本化した場合、駐車場の確保と費用負担はどうなるか。(市民会館)

政策担当課長=駐車場についてはまだ協議していない。費用は指定管理者の負担になるかと考えている。


――事業報告やモニタリングだけでなく、市として指定管理者に指導できる体制がほしい。(市民会館)


――市民の声が指定管理者に届くように担保してほしい。(坂越)

市長=これまで市民病院はさまざまな苦情に懇切丁寧に取り組んできた。指定管理者に移行後も赤穂市としては物申していきたい。確たる保障はないが、意見を踏まえて交渉していく。



《職員の処遇》

――職員は伯鳳会の職員になるのか。(高雄)

市長=職員は令和9年(2027年)4月以降は希望されれば伯鳳会に移行する。


――市民病院の看護師、事務職員の身分はどうなるのか。(高雄)

人事課長=基本的に指定管理となった時点で一旦退職となり、指定管理後の市民病院で働く方は伯鳳会の職員になる。事務職は、そのまま市の職員として公務員の身分を引き継ぐ。公務員のままでいたいという方は人事異動で身分を引き受ける。


――市民病院から伯鳳会に移行する職員の処遇はどうなるのか。(城西)

総務部長=整理退職となるので、退職金は条例で定めた額が上乗せされる。現給保障は職員の意向を確認した上で一人一人の額を計算して、一定期間の保障をしたい。
市長=処遇が下がらないように努めていく。


――職員の処遇はどうなるのか。(赤穂西)

人事課長=3通りある。一つめは指定管理後の赤穂市民病院で勤務する場合で、退職金を支払って公務員の身分ではなくなり、伯鳳会が雇用に向けて調整する。2つめは地方公務員として赤穂市に残る場合で、医療職から他の職種に変更する可能性はあるが、市役所等に人事異動で配属する。この場合は市職員として残るので退職金の支払いは発生しない。3つめは市民病院にも赤穂市にも残らず退職するパターン。現在、市民病院職員を対象に行っている意向調査で、伯鳳会で働く意向のある職員については、個別に移行後の給料を伯鳳会で試算する。これまでのキャリアや経験年数を考慮して計算すると聞いている。現在の給料の方が多い職員については、一定期間現給保障する制度がある。


――移籍後の処遇に、これまでの経験年数は加味されるのか、それともゼロからのスタートになるのか。(城西)

総務部長=個人個人の経験年数に応じて処遇が決まると聞いている。市民病院と中央病院の給与の差額ははっきり把握していない。


――内部で働いている者としては、今後の見通しがわからない。退職する職員は就活しなければならず、いつごろに見通しがわかるのか言ってほしい。(城西)

総務部長=職員アンケートを確認した上で、できれば来年3月ぐらいまでには、ある程度の意思決定をお願いしたい。


――(指定管理移行時に)退職金を一旦支払うという仕組みがわからない。(尾崎)

人事課長=指定管理後も赤穂市民病院で勤務する職員は赤穂市の公務員を退職して医療法人伯鳳会の職員となるので退職金を支払うことになる。また、完全に退職する方も退職金を支払う。赤穂市の地方公務員として残りたいという職員は市民病院で働くのではなく、市役所をはじめ公共機関で働くことになり、公務員を退職しないので退職金の支払いはない。


――通常の退職金が支払われるのか。(尾崎)

人事課長=地方公務員の身分を使用者側の事情によって失うので、いわゆる整理退職となり、加算がある。


――民間企業がつぶれたら退職金はほとんどないのに、退職金を払わないといけないのか。責任はないのか。(赤穂西)

人事課長=法律や条令で決まっているため、退職金は支払われる。職員一人一人に責任を負わせることは難しい。


――市民病院の職員から不安を多く聞いている。きちんと説明しているのか。(市民会館)

人事課長=10月末から計6回説明会を開いた。できるだけ丁寧に対応していこうと考えている。


――病院職員はすごく戸惑い、不満と不安もある。何の説明も聞いていない、という言葉を聞くことが多い。職員のモチベーションが下がると良い医療を提供できない。(市民会館)

市長=今後丁寧に説明していく。


――現場の病院職員が反対した中、二期構想が実行されて、その時代に赤穂市から出向していた職員や議会などが関連して今に至っているのに、なぜ、今いる職員が辞めないといけないのか。そうした不満を受け止める場、説明の場を設けてほしい。(市民会館)

市長=10月30日に私から説明し、その後も人事課と病院総務課を中心に説明したが、まだまだ十分ではないということなので、さらに丁寧な説明をしていきたい。


――(職員への)説明会を何回もやっているとのことだが、それは処遇に対しての説明であって、病院の経営状況の説明はなかった。(市民会館)

市長=それはまた説明する。



《赤穂市民病院の経営悪化》

――なぜ経営が悪化したのか、ちゃんとした解析がない。反省がなければ次に進めない。例えば、二期構想でPETは反対と意見したのに導入して早々に売却した。これだけの赤字を積み重ねて、税金を無駄遣いしたのであれば責任者の謝罪があるべき。(城西)

市長=市民病院が直面しているのは、上がらない診療報酬、人件費の上昇、物価高騰。PETの問題とか全く反省していないわけではなく、いろいろなことが経営悪化につながっているのは確かだが、詳細に分析したかというと、それが一つ一つどうなっているのか私も分かりかねる。検診センターでの受診者増や医師確保に取り組んできたが、常勤医不足がここ数年続いている。


――(説明会の最初に)謝罪の一言があると思った。(市民会館)

市長=市民のみなさんに心配と不安をかけていることについてはおわびしたい。


――全国的に公立病院のほとんどは赤字。赤穂市の責任ではない。医師確保に頑張ってほしい。(市民会館)

市長=ありがとうございます。


――今年度(2025年度)の経営が悪化した理由は何なのか。(高雄)

病院財務課長=昨年度(2024年度)と比較して、上半期の入院患者数が一日平均11・8人の減少、外来患者数は31・1人の減少となっており、入院・外来ともに収益減を予測している。また、費用も物価高騰、人件費上昇、委託料増が見込まれる。


――患者数がどの程度減ったのか具体的な数字を教えてほしい。(塩屋)

病院財務課長=令和元年度(2019年度)の一日平均入院患者数が約254人だったのが、令和6年度(2024年度)は191人で約56人減少した。外来患者数は令和元年度の約701人から令和6年度には約560人で149人の減少となっている。


――医療過誤によって患者の信頼を著しく失ったことが患者数が大きく減った要因では。再発防止策あっての経営改善ではないか。(高雄)

市長=医療過誤問題については、本当に市民の皆様方にご心配とご不安を与え、私自身もお詫び申し上げる。現在は対策を講じて、医療事故があればレベルに応じて半年ごとに発表し、重大事故はその都度発表している。患者数減少への影響はなきにしもあらずかと思うが、市民病院はすべての患者に安全安心な医療を提供するため日夜医療従事者が一生懸命頑張っているので理解してほしい。


――(脳神経外科の医療過誤、医療事故が)患者減の原因につながっているのではないか。(有年)

市長=患者数の減少には少なからず影響があったと考えている。報道が出るたびに「市民病院はあかん」と思われたことが頻繁にあった。
病院総務課長=医療過誤が起きた翌年の2021年度(令和3年度)から外部委員の検証を受け、市民病院のガバナンス、院内の風土や体質に問題があったということで、医療安全マニュアルの見直し、研修の強化、医療事故の公表を行うようにした。信頼回復には非常に時間がかかるが、病院としては頑張っている。


――「入院・外来患者数が大幅に減少」(資料1ページ)したとのことだが、中央病院との比較データはないのか。(尾崎)

病院財務課長=人口減と、コロナ禍後に患者が戻っていないということが全国的にある。当院においては医師数が減っていることと、市外の患者の通院が年々少なくなっている影響が大きい。医師数については、令和元年度(2019年度)の67名から6年度(2024年度)は56名で11名減少した。看護師は令和元年度(2019年度)の260名から6年度(2024年度)は208名となり52名減った。中央病院の数字は持ち合わせていない。


――患者数の減少による収益への影響額は。(坂越)

病院財務課長=コロナ禍以降の患者数の減少は非常に大きな原因と考えている。令和元年度(2019年度)と6年度(2024年度)の一日平均患者数を比較すると、入院は254人から198人に56人減少しており、約11億円の減収となっている。外来は約41人の減少で影響額は約4億3000万円の減収と試算している。


――収支がおかしくなった原因は何か。なぜ、患者が減ったのか(御崎)

病院財務課長=人口減少もあるし、コロナ禍以降、病院のかかり方が変わり、コロナ以前の患者数に戻らないというのは全国的な傾向だ。医師減少の影響も大きい。市外の患者が大きく減少しており、高齢化が進んで通院が困難になっているのも理由の一つに挙げられる。


――全国的に同じように減っているのか。(御崎)

病院財務課長=当院については、全国的な患者数の減少よりも大きく減少している。


――その原因は何なのか。(御崎)

病院財務課長=医療過誤の影響も否定しない。市民からの信頼回復ができていないところも理由としてあるかと考えている。


――医療過誤の責任を取らないといけない。(御崎)

市長=赤穂市民病院は4割が市外からの患者だった。令和4年5月に県立はりま姫路総合医療センターができ、直接かかる市外患者が増えたのも原因だ。医療過誤の問題だけでなく、外的な要因もある。


――中央病院は減っているのか。(御崎)

政策担当課長=具体的な数字はここでは説明できないが、中央病院にとって患者数減が課題ではないということはないと認識している。


――PET−CTを導入して売却した顛末は。(尾崎)

病院財務課長=地域がん拠点病院として、がんの早期発見に重要な機器のため導入した。ただ、維持費がかかることと、機器を扱う資格を持った医師が退職したため制度的に使えなくなった。


――経営破綻した根本原因はどこにあるのか。(尾崎)

市長=根本的な原因は正確には分析できていないが、人口減少のみならずコロナの影響もある。県立はりま姫路総合医療センターが開院し、市外の患者がそちらに行くケースが増えてきた。一方、中央病院はそんなに大きな変動はなかったかと思う。個人的な意見だが、二期構想でPETを導入した。PETは中央病院にもあり、4万人台の規模の人口で2つのPETがあるというのは共存共栄しにくい。また、二期構想に伴い、借金もふくらんだ。そこにコロナがあり、補助金で一時的には経営を立て直せたが、患者が戻ってこず収益は悪化した。昨年くらいから物価高騰があり、人件費も人事院勧告に対応して負担していくので、今まで以上に経費がかかっていく。新たな経営手法を活かすために指定管理者を導入する。2021年度から考えると、物価が上がったことが一つの大きな要因。もう一つは人件費も上がった。一方で診療報酬が上がっていないと同時に患者が戻っていない。それで収支が悪化した。


――二期構想はどう総括しているのか。(尾崎)

市長=過大な投資だったのかなと思うが、採算性や目標があってされたと思う。


――2023年度(令和5年度)以降、赤穂市からの支援金(繰入金)が拡大した原因は何なのか。(坂越)

病院財務課長=一時借入金の返済に充てる原資とするためだ。


――一時借入金はどこから借りているのか。(坂越)

病院財務課長=みなと銀行と兵庫信用金庫から借りている。


――赤穂民報の記事によると、2024年度(令和6年度)決算で市民病院と中央病院の収益はほぼ一緒だが、支出は約10億円の違いがある。中央病院の支出は市民病院と比べて何が少ないのか。(坂越)

病院財務課長=中央病院の支出内容をすべて承知しているわけでないので差額の要因を断定できないが、市民病院が業務の一部を外部委託しているのに対し、伯鳳会は内製化して独自でされていると聞いており、経費の差が出ているのかと考えている。また、グループ全体での一括発注でも経費削減効果があると考えている。


――令和6年度(2024年度)の支出の主な項目はどうなっているのか。(坂越)

病院財務課長=診療所などを除いた病院事業だけの数字だと、給与費が39億5900万円、材料費が16億8400万円、委託料が8億4800万円、応援医師の報償費が2億9800万円、光熱水費が1億4300万円など。


――市民病院が政策医療を引き受けているから支出が多いのではないのか。(坂越)

病院財務課長=不採算医療に費用がかかっているのは事実だが、それには交付金を原資に一般会計からの繰入を受けているので不採算医療をしているから費用が拡大しているという認識はない。



《市民への説明》

――見通しが立った時点で市民に説明があるのか。(城西)

政策担当課長=正式に伯鳳会と指定管理の協定を結ぶ段階になれば、市の財政負担、指定管理後の病院の姿が見えてくる。


――説明会の配付資料は市のホームページに公開しているのか。(城西)

病院特命担当部長=できるだけ早い時期にホームページにアップしたい。(編集部註:11月21日にアップされました)


――説明会資料に「スケールメリットによる経費節減」とある。市民病院と中央病院のそれぞれの職員数などベースとなる数字を示してほしい。(城西)

政策担当課長=職員数は我々の言うスケールメリットに結びつくものではない。一般的には、2つの病院が共同購入することによって一括発注が可能になる。大きなところでは、外来機能の集約を図るので、これまでそれぞれの病院が装備していた高額な医療機器等の経費削減につながる。


――資料がわかりにくい。議員用と市民用の資料はわけてほしい。(高雄)

政策担当課長=この資料は市民の方にわかりやすいように作り直したものだ。


――この資料は経営状態についての金額ばかりが書いていて、どのような病院になるのかが全然出てない。(御崎)

市長=今回は指定管理者制度に移るための説明だ。指定管理者がどういうサービスをするか、どういう体制になるかは、伯鳳会と調整しているところで、確定すれば改めて説明したい。今言えるのは、安心安全な医療体制を確保し、市民の命と健康を守っていく大前提で進めている。


――他の説明会で出た意見を知りたい。(高雄)

病院特命担当部長=できるだけ早い段階で情報を公開したい。


――市民説明会で出た意見をまとめて公表してほしい。(坂越)

政策担当課長=赤穂市のホームページで知らせ、市民の意見を聴く必要があると考えている。


――相手方との契約内容に基づき、市民に対し説明し、公設民営に理解を求めるのが筋では。(有年)

政策担当課長=市民病院の経営状況、市の財政状況から、これ以上後ろ倒しできないとの判断。まずは、こういう方向で市は調整していきますという説明をしている。令和9年(2027年)4月以降の診療機能や病床数などについて指定管理者候補では構想を持っているが、今後さまざまな調整がかかる。もう少し明らかになった時点で説明会をする予定にしている。今の時点では責任をもった財政計画を示すことはできない。


――改めての市民への説明はいつごろになるのか。その時点で市民の意見は反映されるのか。

病院特命担当部長=議案上程する前に議会と市民に説明する。固まったことを説明する。市民の意見は現在行っている説明会で聞いたものについて、できるものとできないものがあるが、反映させていきたい。


――資料の12ページに「指定管理者(候補)の赤穂中央病院を経営する医療法人伯鳳会が、赤穂市民病院の管理運営を行います」とある。これから市民に説明するのに、決定したかのような文章が書いているのは腑に落ちない。(有年)

市長=そういう方向で進んでいるのは確かだが、まだ最終的な決定というわけではない。赤穂市及び周辺地域の規模で2つの総合病院が今後5年先、10年先に共存共栄できるかというとなかなか難しい。何らかの形で一つにすべきではないかという私の思いもあった。いろいろなことを勘案して伯鳳会に打診した。決定したわけではない。


――このような中途半端な状態で説明会を開かれると、市民も職員も不安になる。(有年)

政策担当課長=市としては、まず二元代表制である議会にまず説明すべきということで議会と協議した。続いて当事者の市民病院職員に説明した。方針について市民の皆様にも早く伝えるために記者会見を行った。11月10日の広報に折り込みをして、一定の周知期間を置いて市民説明会を開いている。決して市民説明会を一番最後にしたというわけではなく、こうした考え方の下に順次極力速やかに説明を行っているので理解してほしい。
病院総務課長=職員の動揺は確かにご心配のとおりだ。報道発表直前の職員への説明となり、十分行き届かなかったり、職員にも寝耳に水というところがあった。その後、職員説明会を追加し、今後もさらに2回予定している。ただ、職員が疑問に思うこと、気になることをすべて説明することはできかねている。勤務条件や給料はこれから話していくことが含まれている。話せることは話していくという視点で努めている。


――市民説明会の前に記事が出た。なぜ守秘義務を守らなかったのか。(有年)

市長=お互いに守秘義務は守ってきた。10月29日に議会、30日に職員、31日に記者会見した。ある広告紙が記事を書いたが、どういう経緯で書いたのか、不思議でならない。それまではこの話は外に出なかった。一般紙に記事が出たのは記者会見後だ。


――なぜ、経営が悪化したのかと、今後どうなるのか、ということを分けて説明してくれたら、もっとわかりやすい。(有年)

病院財務課長=医療事故の影響や医師確保の困難、効率的な運営ができていないなど、すべて否定するものではない。数字的なところでは、令和元年度(2019年度)と6年度(2024年度)の比較で、医師は67名から56名、看護師は260名から208名に減少した。1日平均の入院患者数は、だいたい50人、外来患者数は140名ほど減少している。地域別では市外の患者の減少が大きくなっている。委託料の見直し、材料の購入方法を変えて費用削減に努めてはいるが、昨今の物価上昇も影響している。
市長=補足すると、令和3年(2021年)、4年(2022)年はコロナ禍だったが、補助金やワクチン接種などの収益があり、純損益は黒字化した。しかし、2023年にはコロナの補助金が少なくなり、赤字に転落した。令和4年(2022年)5月に、はりま姫路総合医療センター(はり姫)が開院し、翌年4月からフルオープンした。そのあたりから市外患者が直接はり姫に行くケースが出てきて、外来患者が減ってきた。令和元年(2019年)に約700名だった外来患者が現在は500名くらいに減っている。医師不足も合わせて患者の減少が経営悪化につながったと考えている。経営悪化を解消するためには、今までの経営形態では難しく、指定管理の方向に舵を切った。性急に判断したのではなく、伯鳳会といろいろ話をし、指定管理者制度がうまくいくのではないか、また、医師の確保も大学病院と兵庫県とも協議してうまくいくんじゃないか、ということで10月29日に議会、30日に職員、31日に記者発表した。市民病院が今後どうなるかは、ある程度決まれば改めて説明会なり、何らかの形で知らせたい。
病院特命担当部長=指定管理への移行時期を令和9年(2027年)4月に決めた理由は、資料4ページに記載しているとおり、病院事業の経営にかかる純損失が今後5年間で毎年17・4億円、さらに経営形態の移行時期が遅れると、市の実質的な負債が毎月1億円以上増加することから、直ちに移行を進めることを決定した。他市の事例を参考にすると指定管理への移行には約1年半〜2年の準備期間が必要のため、最短で移行準備を進める。


――この説明会の意義は。(塩屋)

政策担当課長=市として大きな決断や方針を決めたので、今後伯鳳会と協議を進める前に並行して、まず方針を市民に説明して理解を得るため。


――こんな重大な問題を市民の声を聞かずに一方的に説明するとは問題があるんじゃないか。市民の声を聞くことを最優先してほしい。(市民会館)

市長=市民の声を聞いて進めるべきかもわからないが、そこまで待てない状態が来たので、今後市議会でいろいろ諮ってやっていきたい。


――市民病院の経営状況について、市民への説明が欠けていた。(坂越)

病院財務課長=記事のスペースとしては小さいかも知れないが、広報あこうで予算と決算は知らせている。



《その他》

――近隣自治体の患者も赤穂市民病院を使っているのに、なぜ赤穂市だけが負債を負担しないといけないのか。(城西)

市長=かつては市外からたくさんの患者が来て利益を出していた時代があった。近隣自治体に負担を求める選択肢もあるかと思うが、あくまでも赤穂市立の病院なので赤穂市の都合だけで負担を求めるのは難しい。


――「政策医療」とは何か。(高雄)

市長=救急、災害時、産科といった不採算、要するにあまり儲からないところを政策医療と言う。


――サイバーセキュリティ対策は。(城西)

病院財務課長=国や県の研修を受講している。厚労省の脆弱性チェックを昨年度受け、脆弱性はみられないとの判断を受けた。引き続き対策をしっかり行っていく。


――病院が合併したケースは全国的にあるのか。(高雄)

政策担当課長=最近では高砂市が新病院建設にあたって指定管理を導入する方針が出された。少し前には川西市民病院が民間病院との再編統合のような形で新病院を建設して指定管理を導入した。たつの市は地方独立行政法人化した。令和4年度(2022年度)末で全国853病院のうち79病院で指定管理者を導入している。


――大きく報道された脳外科医の(医療事故の)問題がNHK『クローズアップ現代』で取り上げられ、手術の動画も流れ、市の職員もコメントを出した。なぜ、映像が出て、職員もコメントを出すのか。(有年)

市長=令和4年(2022年)6月28日に私や病院事業管理者、当時の院長、副院長が記者会見したときの動画が切り取られてNHKで流された。職員がどんな形で、どう取材に応じたのかは報道機関の守秘義務があるので、探求は難しかった【編集部註:記者会見動画には手術の動画はありません】


――休診が続いている西部診療所を再開しないのであれば、公共施設として利用させてほしい。(塩屋)

病院事務局長=西部診療所は医師が確保できず休診しており、今後も再開は難しい。転用については別途話をさせてもらってもよいが、この場ではっきりとしたことは言いにくい。


――赤穂市の総合計画に、医師・看護師の確保といった記載があった。指定管理に移行すると、総合計画は見直すのか。(赤穂西)

政策担当課長=公立病院として残るので、市は関与し続ける。


――現在の市民病院は1998年に完成し、2017年には二期工事で増築した。これまで使った総額はいくらか。(御崎)

病院財務課長=数字を答えることは難しい。


――公的医療病院は絶対に必要だ。市民病院がなければ困るという市民がたくさんいる。(有年)


――診療報酬が物価高騰や医師・看護師の待遇改善に追いついていないのが問題。診療報酬を何とかするように声を上げるべきでは。(市民会館)

市長=今後国等に対して診療報酬の改定に向けて要望していきたい。


――選定療養費を取らなくてもよい特例はないのか。(市民会館)

病院総務課長=その地域にそこしかない診療科は特例がある。過去に市民病院から近畿厚生局に問い合わせた診療科があったが、認められなかった。


――医師確保の努力はしているのか。医師が来れば赤字がなくなるのか。(市民会館)

市長=私も病院幹部とともに大学医局などを訪問し、何度も直接お願いしてきた。しかし、昔のように「この教授に言えば医師を派遣してもらえる」という制度が今はない。赤字解消は診療報酬の改定がなければ対応できないので、国等に要望していきたい。今回の事態を招いたことは市民に申し訳ない。


――令和3年(2021年)以降、病院の全職員、委託業者を対象にした説明会や職員からの提案機会を何回設けたか。(坂越)

病院財務課長=報告は主任以上の職員、病院経営にコミットしてほしい職員に対して月々行っている。委託業者には委託業務の見直しや物品価格の適正化への協力を交渉している。


社会 ]

関連サイト:

【関連記事】社説・根拠も主体性もない説明では納得できぬ

【関連記事】赤穂市民病院の指定管理構想 事実上の2病院統合 外来・救急を集約

関連ファイル:

市民説明会資料「赤穂市民病院経営改革の方針について」


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コメント

会場によって内容が違うのでまとめて頂き助かります。
今後も移行に関する記事をお待ちしています。

5 3

投稿:助かってま 2025年12月03日


 赤穂市民病院の経営形態移行は、患者だけでなく市民にとって医療面、財政面、また、働いている方々にとっては雇用面でも、とても大きな出来事です。

 説明会は市内各地区で行われていますが、それでも参加できない方も多いでしょうし、記事にも書きましたが、同様の質問に対して会場によって回答が微妙に異なるものもあります。

 なるべく詳しく記録して、読者に伝えるべきと考えて取り組んでいます。

21 10

投稿:赤穂民報 2025年11月29日


赤穂民報さんは、なぜ細かく各地区説明会の質疑応答を報道されるのですかね?お教えください。

5 13

投稿:細かく... 2025年11月29日


市民病院って本当に必要なんかな。
愛知県江南市のようにJA江南厚生病院が事実上の市民病院がわりになってたりするし。

20 25

投稿:とむ 2025年11月24日


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