坂越の海愛した辰巳柳太郎
2015年05月17日
「夢」と彫字された顕彰碑に手を合わせる辰巳柳太郎の長男・新倉寿夫さん。顕彰碑は辰巳が愛した坂越の海を臨む高台にある
寿夫さんによると、新国劇の看板役者だった辰巳は全国巡業や映画、ドラマ出演などで多忙を極めたが、毎年のように日帰りから2泊程度で帰省した。辰巳の遠縁に当たり、帰省時に自宅に迎えていた坂越の前田稔朗さん(68)は「赤穂に来る日が決まったら、いつもすぐに電話がありました」と懐かしむ。
寿夫さんは、坂越に向かう電車の中で父が浮かべた柔らかな表情が印象に残っているという。大阪の商業学校を中退して14歳で芝居の道に入った辰巳にとって、生まれ故郷の坂越は特別な土地だったのだろう。亡くなる前年の昭和63年12月にも訪れ、「うちの窓から長いこと海を見ていました」(前田さん)という。辰巳がふるさとの地を踏んだのは、これが最後となった。
記念展を見学した寿夫さんは「時代が変わる中、親父を愛してくれる人がいるのはうれしい」。記念展は6月1日(月)まで会期を延長して開催される。午前10時〜午後4時(入館は3時半まで)。火曜休館。無料。Tel48・7770。
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掲載紙面(PDF):
2015年5月23日(2136号) 1面 (5,703,246byte)
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