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「早く大漁にー」祈る園児らソーラン節

 2011年11月04日 
被災地から送られた大漁旗へ向かって「がんばろう日本!」と声を合わせた子どもたち=塩屋幼稚園
 情操教育の一環として「ソーラン節」の創作踊りに取り組んでいる古浜町の塩屋幼稚園(名和圭子園長)など市内3園に4日、宮城県気仙沼市から届いた大漁旗13枚が持ち込まれた。いずれも東日本大震災で瓦礫に埋もれながら現地ボランティアの手で救出されたものの一部。園児たちは「早くお魚がとれるようになって」と、部屋いっぱいに広げられた旗に向かって元気な踊りを披露した。
 大漁旗を持ち寄ったのは、市内の踊りグループ「播州風舞」代表の山本千代さん(46)=上仮屋北=。元幼稚園教諭の山本さんは2年前から市内の幼稚園で子どもたちに踊りを指導している。「被災した東北各地の港町を応援しよう」と今年度の演目に「ソーラン節」を選んだ。
 機会あるごとに震災の話を子どもたちに伝えようと努めてきた山本さん。10月下旬、気仙沼の男性が津波をかぶった大漁旗を集めて手洗いしているニュースをインターネットで知った。「子どもたちに見せてあげたい」とすぐに貸し出しを依頼。5日後の3日夕方、大漁旗(縦2・2メートル、横約3・2メートル)を折り畳んで梱包した段ボール箱が宅配便で届いた。
 送ってくれたのは、気仙沼市河原田のワインバー経営、伊藤雄一郎さん(44)。自宅が津波にのまれ、行方不明だった妹の夫は震災から1カ月以上経って遺体で見つかった。伊藤さんは義弟を探していたとき、瓦礫に埋もれた大漁旗を見て「港町のかけがえのない宝物が失われる」と自主的に回収を始めた。リヤカーを引いて街中を歩き、これまでに500枚以上を救い出したという。
 ところどころ残る土の汚れ、漂うオイルの匂い。しかし、勢いのよい毛筆書体で船名を染めた色鮮やかさは失われていなかった。子どもたちは旗の由来を語る山本さんの話に静かに耳を傾けた。
 「自分の目で実物を見たことで、きっと何かを感じ取ってくれたはず」と山本さん。「大きくなったときに困っている人にやさしくできる人になってほしい」と話す。
 大漁旗はこの後、赤穂、御崎の2園も回った。6日(日)には3園の子どもたちが合同で「赤穂でえしょん祭り」に出演。大漁旗が打ち振られる中、総勢約120人の踊りを披露する予定だ。
 塩屋幼稚園の年長児、風原舞ちゃん(6)は「漁師さんが元気になってくれるように頑張って踊るよ」と笑顔で話していた。
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掲載紙面(PDF):
2011年11月12日(1966号) 1面 (11,723,005byte)
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