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【第12回】私って親バカ?

 2008年04月05日 
日本語弁論大会でスピーチするグルジャンさん
 先日、首都で年2回行われる日本語弁論大会に私の生徒が1人出場し、見学希望の生徒も含めて5人を引率しました。
 出場したのは16歳の女の子、グルジャンです。この日のために新調した服を着て会場の大学へ。講堂のりっぱなステージには各地から集まった子どもたちがぽつっぽつっと並んでいました。リハーサル中からずっと、「怖い、こわい」と顔をこわばらせていた彼女。舞台まで行って抱きしめたくなりました。
 弁論といっても私が教えている日本語は、今のところ自己紹介ができる程度のもので、「話した」というより「読んだ」というほうが正確かも知れません。それでも、彼女にとってかけがえのない経験。参加賞の賞状を大事そうに持ち帰っていました。日本語を学ぶことに真っ直ぐな彼女は来年進む大学でも、きっと日本語を専攻するでしょう。
 当初は単に、子どもたちが将来ふと思い出すような経験をさせてあげることができれば―と思っていましたが、生徒たちとのつながりが増えてきた今、彼らにかける期待は高くなっているようです。
 弁論大会ではリハーサルからカメラを持って走り回り、自分の生徒ばかりアップで撮りまくっている自分がおかしかったです。こういうのって“親バカ”というのでしょうか。
   * * *
 ▽伊藤寛子さん=赤穂西中学校出身の25歳。国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊員として平成21年6月まで中央アジア・キルギス共和国に2年間の単身赴任中。「ジュジュ」(キルギス語でひよこ)は現地でのニックネーム。
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掲載紙面(PDF):
2008年4月5日(1788・1789号) 4面 (10,624,212byte)
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