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関西福祉大学リレーコラム・学びについて考える(1)勉強から学習へ

 2016年10月08日 
 「7歳かずお君のお父さんの年齢は、かずお君の5倍ちょうどです。かずお君のお父さんの年齢が、かずお君の年齢の3倍ちょうどになるのは何年後でしょうか。」という算数の問題があります。
 この問題を解く鍵は、何年後でも二人の年齢差は変わらないということです。子にとっては、いくつになっても親は親であり、親はいくつになっても子どもに良かれと思うことを伝えたいものです。私はこれからの5回で、乳幼児から大学生までの子どもに親としてどのように接していくかを学校教育と比較しながらお話しします。
 心理学者のエリクソンは、およそ2歳までに信頼感、5歳前後に自律性、7歳頃は積極性、10歳頃には勤勉性、14歳ごろに同一性、18歳頃には親密性が育つという説を唱えています。この時期を捉えて適切な声かけをすることが重要です。
 例えば小・中学生に「しっかり勉強してきなさい」と声をかけることは良くあります。積極性、勤勉性や同一性が育つこの時期、「勉強」で良いのでしょうか。「勉強」とは、勉(つと)めて強(し)いると書きます。遊びたい子どもを、机に座らせて教科書を読ませている状況が目に浮かび、努力・根性・忍耐がイメージされますね。
 現在では学校も「勉強」から、「学習」に変わってきています。「学習」とは学(まな)び習(なら)うことです。「学ぶ」は「真似ぶ」ことを語源としていると言われ、身近な存在である親や先生のすること、言うことを真似ることから始めて応用を学んでいく一連の行動のことをいいます。
 また、学習は、体験を通して学ぶことを重視しています。皆さんも子どもをキャンプや釣り、科学館につれて行くといった体験をさせておられることでしょう。人は、具体的な体験や事物とのかかわりを通して、感動したり驚いたりしながら「なぜ、どうして」という考えを深める中で、実際の生活や社会、自然の在り方を学んでいきます。子どもに良いことを伝えたいという親の願いは子どもにこのような行動モデルを示すことでも伝えられるのです。
 さて、教科書で教えることを規定している学習指導要領は2020年から実施されますが、そこでは、「主体的・能動的に学ぶこと」を求めています。学校は「先生が教え、子どもが習う」教室から、「子どもが自分から進んで学ぶ」教室へ変わりつつあるということなのです。これは子どもに限ったことではなく、私たち大人もそれぞれ家庭や仕事の中で学んだことを自分なりに活用して生きています。自然観察だけでなく、料理や掃除も科学がたくさん含まれています。次回から子どもと一緒に学ぶ方法を考えてみたいと思います。(金沢緑・発達教育学部教授)
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掲載紙面(PDF):
2016年10月8日(2202号) 3面 (10,640,398byte)
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