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塩屋に夏呼ぶ俳句献納

2013年07月13日

  • 俳句を行燈に毛筆書きして献納に備える片山青芝さん=手前=と大西平八郎さん

    俳句を行燈に毛筆書きして献納に備える片山青芝さん=手前=と大西平八郎さん

 若宮、金毘羅、塩釜、伊勢の4社を合祀する塩屋の荒神社で、毎年7月15日の合社祭へ向けて行われる俳句献納の準備が進んでいる。市内の句会などで詠まれた作品から64句を選び出し、和紙を張った行燈に揮毫して展示する伝統行事。13日から参道と境内に行燈が並ぶ。
 献納俳句は塩屋地区に古くからある俳諧結社「芦風社」が10月の秋例祭と年2回実施。由来は定かではないが、同社が納めた絵馬から遅くとも明治中期までに始まっていたとみられる。同神社によれば、昭和天皇の崩御を受けて例祭自体を自粛した平成元年秋を除いて欠かすことなく続いているという。
 合社祭を間近に控えた8日、同神社の社務所で行燈の準備があった。平成12年から選者を務めるホトトギス同人の片山青芝さん(81)=上仮屋南=が行燈18基に計34句を筆書き。亡父の跡を継いで奉納を世話する塩屋の大西平八郎さん(81)が境内に掲げる長持行燈2面に計30句を筆写した。「麻暖簾」「鱧」「ソーダ水」など、いずれの作品も夏の季語を含み季節感がある。
 「昔は、合社祭は田植え仕事を済ませた地域の人たちにとっての楽しみだった」と大嶋芬宮司(77)。水田にはさまれた参道に句行燈の明かりが連なる光景は「とても美しく風情があった」という。時代は変わったが、俳句献納は今も塩屋に夏を呼ぶ風物詩だ。
 合社祭当日は午後6時から神事を行い、同6時半ごろから行燈に火を入れる。


文化・歴史 ]

掲載紙面(PDF):

2013年7月13日(2045号)1面 (8,752,687byte)


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