赤穂民報

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【社説】賠償確定から一年、弁済の進展見えず

2009年06月11日

 経営破たんした第3セクター「赤穂駅周辺整備事業」をめぐり、最高裁が北爪照夫・元赤穂市長ら元役員2人に約1億3000万円の損害賠償を命じる決定を下してから1年が経ったが、いまだに弁済はなされていない。どうなっているのか。
 同社は「代理人の弁護士を通じて交渉中」とするが、その手順、方針については「合意するまでは公表できない」として一切明かしていない。
 気になるのは、「交渉」や「合意」という言葉だ。同社は「判決に沿った弁済を求めている」と話すが、その一方で「何が何でも全額取り立てるというのはいかがなものか、という声もある」と“情状酌量”を匂わせる発言もみられる。
 判決確定前なら和解協議による妥協もありうるが、最高裁の決定が出たこの期に及んで“泣き”を聞き入れるのはいかがのものか。そもそも、同社が当初求めた賠償額は約4億8000万円で、すでに判決の時点で7割強を断念している。さらに譲歩する必要はない。
 市民の中には「所詮、身内同士の茶番劇」と冷ややかに裁判を見つめる声や「どうして強制執行しないのか。はなから本気で賠償金を取り立てるつもりはないのでは」と同社の姿勢に疑いの目を向ける声もある。
 「納得できる結論を得られるように交渉を進めている」と話す同社がいずれどのような“合意結果”を市民に報告するのか、注目したい。


社説 ]

掲載紙面(PDF):

2009年6月13日(1851号)1面 (8,276,435byte)


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