2026年10月31日
これまで犯罪や非行の背景には、貧困や虐待、社会的孤立、生きづらさなどの福祉的課題が存在すること、そしてヴァルネラビリティ(傷つきやすさ)という視点から、そうした背景に目を向けることの重要性についてお話ししてきました。
では、犯罪や非行をした人に対して、実際にどのような福祉の支援が行われているのでしょうか。
たとえば、障害者手帳の取得、出所後の福祉施設への入所、生活保護や介護保険の手続きといった支援が行われています。実際に、軽微な犯罪を繰り返して刑務所に何度も入所している人のなかには、幼い頃から家族や学校からも障害を見過ごされ、今まで一度も福祉の支援に繋がらなかった人もいます。
こうした支援を行うソーシャルワーカーのことを(刑事)司法ソーシャルワーカーと言います。現在、医療ソーシャルワーカーやスクールソーシャルワーカーなどソーシャルワーカーはさまざまな領域で活躍していますが、司法ソーシャルワーカーもその例外ではありません。福祉の専門職として、検察庁や刑務所、少年院といった機関でも働いています。ちなみに、Netflixでドラマ化された『九条の大罪』にも司法ソーシャルワーカーが登場しています。
犯罪・非行を福祉の視点から考え、支援することは、もちろん犯罪を正当化するわけではありません。適正な処罰が行われることは当然のことです。しかし、過ちを犯した人が社会復帰する際、自己責任という言葉で片付け、排除する社会ではなく、その背景に目を向け、困っている人が孤立せず、必要な支援につながることができる社会、そうした人に手を差し伸べられる社会であってほしいと願っています。それは、ひいては新たな被害を生まない安全な社会と言えるのではないでしょうか。
最後に、過日、保護司(犯罪や非行をした人の立ち直りを地域で支える民間ボランティア)を拝命しました。研究だけでなく実践においても立ち直りを支える社会に貢献できるよう尽力していきたいと思います。(社会福祉学部社会福祉学科講師・石田咲子)
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次回からは教育学部保健教育学科教授の秋川陽一先生が担当します。お楽しみに。

[ かしこい子育て ]
掲載紙面(PDF):
2026年10月31日号(2664号)2面 (4,511,910byte)
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