自らテーマ掲げ海外へ 県大附高1年生2人が探究型留学
2026年07月18日
兵庫県立大学附属高校で学ぶ赤穂市在住の1年生2人が文部科学省や兵庫県が公募した海外短期留学制度に採用された。
元塩町の馬場未宙(うまば・みひろ)さん(15)はカナダで総合診療の先進事例を、上仮屋北の鈴木理桜(りお)さん(16)はオーストラリアでフードロス削減の仕組みを学ぶ。同じクラスで学ぶ2人は海外での学びを「将来、地域や社会の課題解決につなげたい」と互いに高め合っている。

海外短期留学を控え、意気込みを表す馬場未宙さん(右)と鈴木理桜さん
2人が参加する制度はいずれも参加者自身が探究テーマを設定し、現地での活動内容やスケジュールを組み立てて応募する仕組み。書類選考と外国語面接などを経て高い競争率の中、派遣学生に選ばれた。
馬場さんは文科省の海外派遣プログラム「トビタテ!留学JAPAN」の社会課題探究コースに採用された。高齢化と過疎化が進む日本で必要性が高まるとされる総合診療のあり方を探究テーマに掲げ、7月25日から8月15日までの約3週間、バンクーバーに滞在する。
将来の目標は総合診療医。中学生のとき、体調不良で受診した際に医師から優しく温かい言葉をかけられたことが、医師を志すきっかけの一つになったという。医療について調べる中で、複数の疾患を抱える高齢者が増えていることや、どの診療科を受診すればよいかわからない人が多いことを知り、「患者さんを丸ごと診る総合診療なら、課題の解決につながるのでは」と考えた。
カナダでは日常的な健康管理や初期診療を一手に引き受ける「ファミリードクター制度」に注目する。市民に聞き取りを行い、制度が生活にどう根付いているかを調べる予定。医師へのインタビューも調整しており、「医師が患者さんとの会話から、どのように診療につなげているのか知りたい」と話す。
幼いころから続けてきたピアノも交流のきっかけにする考えで、「ストリートピアノを見つけたら日本のアニメ映画の楽曲などを演奏したい。音楽を通して人とつながり、そこから自分の探究についても話ができれば」と期待。今回の留学を皮切りに「いろいろな国の医療制度を自分の目で見たい。自分の将来のプランをもっと鮮明にしたい」と意欲を語った。
一方、鈴木さんは県の「チャレンジ留学〜HYOGO高校生『海外武者修行』応援プロジェクト〜」に採用された。テーマは「愛する食べ物を世界から救え」。7月24日から8月9日までの17日間、シドニーでフードロス削減に取り組む団体や店舗を訪ねる。
おいしいものを食べることが大好きという鈴木さんは、小学生のころ、日本で多くの食品が廃棄されていることを知り、「好きな食べ物たちが捨てられている」と心を痛めた。フードロスについて調べ、今年3月には赤穂市内のボランティア団体でフードロス削減活動に参加。市内スーパーで買い物客にアンケートを行うなど、調査研究に取り組んできた。
オーストラリアを留学先に選んだのは、日本と同じようにフードロスが多かったにもかかわらず、近年は削減が進んでいる点に注目したため。現地では、廃棄予定の食品を活用する団体「オズハーベスト」やスーパーなどを訪ねて活動の仕組みを学ぶほか、利用者へのアンケートや、ボランティアの一人として活動に参加するなどして「人々の意識を肌で感じたい」と考えている。
さらに兵庫の魅力を発信するアンバサダー活動にも取り組む。赤穂化成から提供を受けた赤穂の塩の小袋約200個を持参し、自作の折り紙袋やチラシとともに現地で配る予定。たつの市の醤油や赤穂緞通についても紹介する。
「日本とオーストラリアでは文化が違うので、同じ仕組みをそのまま取り入れてもうまくいかない。現地で見たことを吸収し、日本に合う形を考えたい」と鈴木さん。将来は食品廃棄を減らすビジネスモデルで起業することが目標で、「兵庫から世界へ羽ばたけるリーダーになりたい」と力を込めた。
2人とも留学中の活動の様子をインスタグラムで発信する予定。アカウントは「umy3_z」(馬場さん)、「suzr1o._.1473」(鈴木さん)。
[ 社会 ]
掲載紙面(PDF):
2026年7月18日号(2652号)2面 (5,059,672byte)
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