2026年06月27日
折方で今季からアイガモ農法を始めた水田があり、元気に早苗の間を泳ぎ回る愛らしい姿を近所の人たちが見つめている。
アイガモを活用した稲作に取り組んでいるのは著名歌手と同姓同名の井上陽水さん(32)。自然豊かで災害も少ない赤穂の環境を気に入り、2年前に田畑付きの空き家を購入し夫婦で東京から移住した。本業のランドスケープデザイナーとしての仕事をリモートでこなしつつ、「家庭菜園の延長」として米づくりに取り組んでいる。
農業経験は「小学校のときに田植え体験しただけ」。書籍を参考に計画を立て、1年目の昨季は機械や農薬、肥料を極力使わない低コストな自然栽培にトライした。5アール作付けして採れた米は30キログラム。面積に対する平均的な収穫量の10分の1にとどまった。毎日草抜きを頑張ったが除草が追いつかず、土の栄養分が稲に行き渡らなかったことが原因とみられるという。
そこで目をつけたのが田んぼの雑草を餌代わりに食べてくれるアイガモ。雑草だけでなく害虫も食べ、ふんが肥料になるメリットもある。大阪の専門業者から生まれたばかりのひな鳥を10羽購入し、桶で水に慣らしてから6月中旬に水田デビューさせると、すぐに草をついばんだ。
幼いアイガモを狙ってか、トンビが上空をくるくる旋回するようになり、あわてて鳥よけの糸を水田に張り巡らせた。夜間は水田のそばにある小屋に戻し、朝に再び出動してもらっている。
「昨年は少しの量しか採れなかったですが、そのお米でつくったおにぎりが、とってもおいしかったんです」と目を輝かせる井上さん。今季の収穫目標は夫婦が1年間食べる量として120キログラム。かわいい助っ人たちの活躍に期待を寄せている。

「きょうも頑張って田んぼの草を食べて」とアイガモを送り出す井上陽水さん
[ 街ネタ ]
掲載紙面(PDF):
2026年6月27日号(2649号)2面 (5,042,927byte)
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