赤穂民報

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【社説】市民への負担はやることをやってから

2008年02月09日

 先週2月2日付けの社説「ゴミ処理有料化は税金の二重取りだ」について、読者から次のようなご意見をいただいた。
 (1)市の行革担当者の守備範囲は広く、ある一事業の数字を答えられなかったといって責めるべきではない(2)現場の声を聞いていては大胆な改革ができない。市財政を立て直すためには改革の担当者にそれなりの権限を持たせるべき(3)ゴミ処理有料化はゴミの減量に役立ち、結果的に経費節減につながる。また、地球環境にもよい―おおむねこのような主旨だったと理解している。
 本紙も共感する点がないわけではないが、今回のゴミ処理有料化案については、その素案作りの手順に問題があると考えている。
 市の行革担当は、「市のゴミ処理費用は年間いくらかかっているのか」との本紙の質問に、「そうしたデーターを美化センターがまとめているかどうかも含めて承知していない」と答えた。
 もし、行革担当と現場部局との間で、ゴミ処理コスト削減について少しでも協議がなされていたのなら、少なくとも先のような回答にはならないはずだ。「ろくにコスト削減の努力もせずに、市民に負担を振り替えようとしているのではないか」との疑念を禁じえず、その疑いは「他の事業は大丈夫なのだろうか」との不信に広がっていく。
 市民に負担を求めるなら、徹底したコスト削減を済ませてからにすべきだ。各部局が事業の効率化のために行った努力や工夫があるならば、ぜひそれを示してほしい。
 さて、(3)のゴミ処理有料化とゴミ減量の関係について。市によると、有料化を実施している自治体は「全国で約半数、県下では41のうち18」だという。それらの自治体では、有料化からしばらくはゴミの量が減少したものの、一定期間を過ぎるとまた元通りになったところもある。
 「ゴミ減量は有料化ではなく、分別によるべき」という論もあり、この点も研究すべきテーマだろう。


社説 ]

掲載紙面(PDF):

2008年2月9日(1778・1779号)1面 (9,991,590byte)


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