2025年10月11日
灯台が建つ高台のロケーションや眺望を地域資源として活用する可能性を広げようと、兵庫県は「赤穂御埼灯台」周辺の市街化調整区域約0・94ヘクタールを「御崎地区特別指定区域」に8月29日付けで追加指定した。
市街化調整区域では通常は建造物の新築や用途変更が許可されないが、指定区域になれば一定規模以下の宿泊施設や飲食店などの建築や既存建造物の用途変更が可能になる。
県の特別指定区域制度は2002年に創設され、御崎地区では19年に温泉旅館街から東御崎展望台にかけて約9・7ヘクタールが指定告示された。市都市計画課によると、制度を利用して「住宅」だった建物を用途変更して改修した事例が3件あり、宿泊施設や飲食店として活用されている。
19年の指定は既存の建物がある土地を対象に指定したため、灯台以外に建物のない赤穂御埼灯台周辺は指定区域に含まれなかった。地元から「さらに景観を活かすための規制緩和を」といった要望があり、市は関係先と協議。地権者の了承も得られ、県へ追加指定を申し出て認められた。
同課によれば、灯台周辺に建造物を建築する場合、具体的な高さの数値規制はなく、灯台の機能を妨げなければ支障はないという。今のところ、具体的な開発プランはないが、「制度を活用して民間活力を誘致し、観光振興と地域活性化につなげたい」としている。

周辺エリアが兵庫県の「特別指定区域」に追加指定された赤穂御埼灯台
[ 商業・経済 ]
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2025年10月11日号(2616号)1面 (7,520,943byte)
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