中学生絵師が「忠臣蔵ねぷた」制作中
2025年09月06日
今年の赤穂義士祭の関連イベントとして、青森県弘前市の中学生ねぷた絵師が描いた「忠臣蔵ねぷた」を披露しようと、赤穂出身の榊泰直さん(56)=奈良市=が実行委員会を立ち上げた。

若手ねぷた絵師の菊池虎太朗君=聖一朗さん提供
榊さんは京都市内にある築100年の妻の実家(重要京町家・個別指定町家)を会場に陶灯や行燈などを展示する催しを4年前から実施。展示の企画でさまざまな作家と知り合う中、勇壮な武者絵を描いた扇形の大型灯籠を内側から光で照らす「弘前ねぷた」の若手絵師、菊池虎太朗君(14)と出会った。
菊池君は3歳で初めて弘前ねぷたを見たときから魅力にとりつかれ、小6で絵師としてデビュー。テレビ番組でも取り上げられて話題になった。弘前ねぷたの継承を目指す同世代の若者たちで結成した文化団体「響樂會(きょうらくかい)」を主宰。榊さんは、地域の誇りを背負って伝統文化の担い手として懸命に努力している菊池君らの姿に心を打たれ、弘前と赤穂の交流と文化継承を目的としたイベントを立案した。
義士祭の前々夜祭として今年12月12日(金)に中広の赤穂化成ハーモニーホールで開催予定。菊池君が制作した「忠臣蔵ねぷた」の新作を公開するほか、菊池君が舞台上でねぷた絵を描くライブパフォーマンス、響樂會によるねぷた囃子と津軽三味線の演奏などを披露する。
弘前は赤穂義士の吉良邸討ち入りを陰で支えた大石無人・三平親子の出身地でもある。「忠臣蔵とねぷた。赤穂と弘前が2つの伝統文化で再びつながる機会になれば」と榊さん。菊池君の父・聖一朗さんによれば、虎太朗君は忠臣蔵の物語を勉強して浮世絵を参考に図柄の構想を練り、忠臣蔵研究者に下絵の監修を依頼するなど、忠臣蔵ねぷたの制作に集中して取り組んでいる。完成すれば、高さ3メートルの作品になるという。
榊さんが約200万円の開催費用をまかなうために8月上旬からクラウドファンディングで寄付を呼び掛けたところ、1か月で100万円を超える募金が集まった。募金は12月12日のイベントの特別席招待、菊池君の忠臣蔵ミニねぷたなどを返礼品として9月28日までオンライン募金サイト「レディーフォー」で受け付けている。
[ 文化・歴史 ]
関連サイト:
「忠臣蔵×弘前ねぷた」のクラウドファンディング(外部サイトへリンク)
掲載紙面(PDF):
2025年9月6日号(2612号)1面 (7,256,240byte)
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