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《市民病院医療事故多発》市長「再検証を行う考えはない」

2023年05月27日

 赤穂市民病院の脳神経外科で多発した医療事故について牟礼正稔市長は、「ガバナンス検証委員会」がまとめた報告書で「問題点の総括が明らかになった」との見解を示した。

 医療過誤に該当する症例は1件のみとする病院の判断に「変更はない」とし、再検証の実施を否定した。

 一連の医療事故をめぐっては昨年8月、日本脳神経外科学会が「医療安全管理体制に安全教育上の重大な懸念事項がある」として専門医訓練施設の認定停止を同病院に通達。「医療安全体制の整備や一連の医療事故の問題点総括が完了し、その対応策が確実に実行されていることが確認される」のを認定再開の条件としている。

 ガバナンス検証委は医師や弁護士などで昨年6月から計6回開かれた。今年3月末に提出された報告書では「指揮命令系統が適正に機能しているとはいえない組織体制となっている」「病院全体として、実際に医療事故が発生した場合、適正に対応すべきであるとの認識が欠如していた」などと批判的に指摘した上で医療安全マニュアルの改訂と遵守、病院全体の医療安全教育の実施、リーダー育成などを提言。一方、個々の症例が医療過誤に該当するかどうかは「市民病院がその責任において行うもの」として検証対象から外しており、真相は解明されていない。

 牟礼氏は、赤穂民報の「学会が求める『問題点の総括』はガバナンス検証委の報告書をもって完了したと考えているか」との質問に「問題点の総括は、報告書で明らかになったと考えている」と回答。一連の症例についての判断も「変更はない。再検証を行う考えはない」と答えた。

 また、医療事故の多発を防げなかった責任の所在については「当時は、市民病院の医療安全管理体制が機能していなかったことが問題であった」としながらも、「引き続き医療安全の確立に努めていく」として明確には答えなかった。


社会政治 ]

掲載紙面(PDF):

2023年5月27日号(2508号)1面 (5,687,927byte)


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