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地域医療学習会「経営本位でなく市民本位で」

2022年04月20日

  • 地域医療のあり方について語った今西清氏

    地域医療のあり方について語った今西清氏

 地域医療をテーマにした学習会が加里屋中洲の赤穂市民会館でこのほどあり、元川西市職員で「兵庫の地域医療を守る会」の今西清代表が講演。「経営本位ではなく、市民本位で考えなければ赤穂の医療の質は落ちていく」などと地域医療のあり方を語った。

 今西氏は、赤穂市民病院を「本来のあるべき姿を守ってきた病院」と評価。外部有識者の経営検討委員会が今年1月にまとめた報告書について、「これまで県内の公立病院統合を進めてきた旗振り役の人たちが複数メンバーに入っていたにもかかわらず、公立病院での維持を提言している」と指摘した。

 公立病院の経営に関し、「小児医療、救急医療をやっている病院はみんな赤字になる。不採算部門を維持する以上は市が財政責任を果たす必要がある」と一般会計からの繰り出しを容認すべきとの持論を示した上で、「市民病院だからこそ、市民の声でよりよい病院にすることができる。民営化すると、儲かるかどうかが物差しになる」と公立病院を存続する意義を強調した。

 また、市民による草の根的な運動で小児科の存続につなげた県立柏原病院(現県立丹波医療センター)の取り組み例を紹介し、「医師、看護師に『ありがとう』と直接感謝を伝えてほしい。市民で『市民病院をまもる会』を立ち上げるなど継続的な取り組みを」と提案した。

 今西氏は経営検討委の報告書で提案された経営改善策のうち、看護師削減と賃金引き下げは「24時間365日第一線で市民の命を守っている病院職員に打撃を与える」とし、外来単価の引き上げは「生活困窮者を排除し、医療格差を広げることにつながる」とした。放射線治療機器の更新中止は「担当医の意見を踏まえてよく考える必要がある」とした。

 学習会は市民有志の「赤穂の地域医療を考える会」が主催。約50人が参加した。


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コメント

公立病院存続の意義に納得です。
やっぱり市民病院でなければならないと思います。
民営化して経営本位になられては困ります。

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投稿:市民病院であって欲しい 2022年05月24日


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