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58年前の「一円電車」撮影の思い出懐古

2021年11月26日

  • 寄贈した「一円電車」の写真展会場で講演する吉栖清美さん

    寄贈した「一円電車」の写真展会場で講演する吉栖清美さん

 「一円電車」の愛称で知られる養父市大屋町の「明延鉱山明神電車」を福浦の吉栖清美さん(82)が58年前に撮影した写真がこのほど同町で展示され、吉栖さんが会場で当時の思い出を講演した。

 明神電車は明延鉱山から約6キロ離れた神子畑選鉱場を結んだ鉱山鉄道。運賃が1円だったことから「一円電車」の呼び名で親しまれた。鉱山の閉鎖に伴い1987年に廃線となり、ピーク時に約4000人だったという地区の人口は現在約60人に減少している。

 鉄道マニアの吉栖さんは、明神電車が地元の交通の便として盛んに使われていた1963年ごろ現地を訪れ、当時まだ珍しかったカラーフィルムで車両や駅舎、街並みを撮影した。「資料として役立ててほしい」と養父市教育委員会に昨年寄贈。これまで不確かだった車両の塗装色の特定に役立った。

 吉栖さんの講演は、寄贈写真を展示した「あけのべ憩いの家」で行われ、地区住民の3分の2に当たる約40人が来場した。写真には懐かしい住民の姿もあり、吉栖さんが語る撮影時のエピソードに耳を傾けた。

 明神電車は2017年に日本遺産認定された「播但貫く、銀の馬車道 鉱石の道」の構成文化財となり、昨年3月には県有形文化財に指定。現存する車両で地元ボランティアが体験乗車会を開くなど、観光資源に活用されている。

 吉栖さんは「写真が調査研究に役立てばうれしい。一円電車をこれからも大切にしてほしい」と話した。


文化・歴史 ]

掲載紙面(PDF):

2021年11月27日号(2440号)2面 (7,545,381byte)


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