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国天然記念物の生島で10年ぶり植生調査

2021年11月08日

  • 10年ぶりに実施された生島の植生調査

    10年ぶりに実施された生島の植生調査

 国指定天然記念物の照葉樹林がある坂越の生島で6日と7日、専門家たちによる植生調査研修会があり、服部保・兵庫県立大学名誉教授(資源保全学)らが島内の植物の生育状況を調べた。

 生島は坂越湾に浮かぶ無人島で面積8・1ヘクタール。古来より大避神社の禁足地だったため原始に近い状態の樹林が保たれ、1924年(大正13)に国天然記念物、57年(昭和32)に国立公園特別保護区となった。しかし、70年代ごろから、つる性植物のムベが勢力を伸ばし、既存の樹木に巻き付いて枯死させる恐れが生じた。2002年に服部氏らの呼び掛けで市民ボランティア約250人が島へ渡り、約1万5000本のムベを伐採した。

 植生調査は伐採10年目の2011年に実施して以来10年ぶり。「兵庫県みどりのヘリテージマネージャー会」を中心に2日間にわたって延べ約40人が参加した。伐採時に島内8か所に設定した永久調査区(1辺10メートル)で生息している植物の種類や樹高、周囲長などを細かく記録。ムベが再び繁茂していないかどうか確認した。

 「心配していたムベがそれほど見られなかったので安心した」と服部氏。今回の調査結果を報告書にまとめ、来年2月ごろ刊行する予定という。


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