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《浄水施設担当課長汚職》元市課長に求刑 懲役4年、追徴金218万円

2021年06月07日

 赤穂市の浄水施設工事をめぐる汚職事件で、貯水槽メーカーに便宜を図った見返りに賄賂218万円を受け取り、別の業者からの借金を清算するために架空の公共工事を発注したとして、加重収賄と詐欺の罪に問われた元市浄水施設担当課長の男(59)=懲戒免職=の第2回公判が7日、神戸地裁(飯島健太郎裁判長)であり、検察は懲役4年、追徴金218万円を求刑して結審した。
 この日は、初公判での加重収賄罪に続き、詐欺罪について審理した。
 冒頭陳述などによると、元市課長は2019年2月と5月、市配水池施設のバルブを修繕したと見せかける架空の発注書兼請求書を上下水道部総務課に提出。金を借りていた市内の水道工事業者の銀行口座に振り込ませ、借金返済のために現金計46万8720円をだまし取ったとされる。また、同じ業者からの借金を清算するため北野中浄水場の修繕工事代金を水増ししたとされる。
 元市課長は、加重収賄罪と同じく詐欺罪についても「間違いありません」と起訴事実を認めた。判決は6月29日(火)に言い渡される。
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 検察が証拠として提出した供述調書によると、元市課長は2016年9月、高級外車の購入費用として消費者金融から200万円を借り入れ、翌年ごろから返済に窮するようになった。日々の生活費にも困ったため、複数の水道工事業者に借金を申し込んだが断られたため、架空請求や収賄を思いついたという。
 弁護人質問で元市課長は、貯水タンク設計図面の差し替えを贈賄側のメーカーに約束した理由を問われ、「(その会社の)タンクを使ってみたかったから」と供述。提案の約半年後に賄賂を要求したことについて、「借金が限度いっぱいだった。大きな会社なので、資力があると思った」と語った。
 その一方で、検察官からの「金の工面をするために図面の差し替えを約束したのではないか」の問いかけには、「そのときは、まったくなかった」と計画性を否定した。
 また、架空発注で不正に振り込ませた相当額を元市課長が今年4月に市に弁償していたことがわかった。
 元市課長は公判の終わりに裁判長から意見を尋ねられ、「たくさんの市民と同僚職員に迷惑をかけたことを深く反省しております。今後は自分を改め、家族とともに残りわずかな人生を歩んでいきたい。本当に申し訳ございませんでした」などと話した。


社会事件事故 ]

掲載紙面(PDF):

2021年6月12日号(2420号)1面 (4,867,778byte)


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