赤穂民報

メニュー 検索

関福大リレーコラム・学校と家庭のICT

2020年10月12日

 ICT(アイシーティー)とは、通信技術を利用したサービスの総称で、技術そのものを指す「IT」に、コミュニケーション(情報伝達)要素をプラスした応用技術を言います。
 関連する言葉で、色々なモノにインターネット通信機能を搭載し手元のスマホで遠隔操作できる「IoT」も、家電製品の広告で目にするようになりました。世の中のしくみは日々刻々と進化しています。
 従来、小中学校のICTは、電子黒板・実物投影機・タブレットパソコンなどを用いて教室での対面授業を分かり易くするために導入されてきました。日本の教育現場において、文部科学省による教育のICT化が推奨されてはいるものの、都市部と地方ではICTの整備状況が異なり、特に先進国で普及が進む義務教育のオンライン授業(遠隔授業)分野は未整備で事例も少なく、不登校や入院中の児童生徒が自宅や病室で学習する際の手助けとして、ICTに詳しい教員が善意で行っている程度です。
 そうした背景の中、令和2年度は働き方改革推進と教育改革推進の年でしたが、新型ウイルス感染症の発生で、会社勤めの多くの人が自宅でのテレワークになり、休校となった教育機関ではパソコンやスマホを使ってのオンライン授業を模索する事態となりました。
 自宅から複数の人とつながるクラウド(インターネット経由でソフトウェアやインフラを提供する)サービスの特徴として、オンライン会議の場合は出席者の顔と発言がわかれば目的を遂行できますが、オンライン授業では単元の内容を画面に映す必要があり、その上で児童生徒とのコミュニケーションを取りながら進めようとすれば、授業に参加できるのは少人数グループに限られてしまいます。大人数にはあまり向きません。また、ネット経由で文書や画像などの資料を配布すると、受け取る側のダウンロード行為が著作権侵害にあたる恐れもあります。
 今のところ、オンライン授業は万能ではありませんが、その代わり保護者が自宅に居ながら授業参観できて、子どもが理解不足であれば、そばにいて優しくサポートしてあげることも可能です。何より、学習を通じた親子の健全な触れ合いは、親子双方にオキシトシン(愛情ホルモン)が分泌され、家族間に和やかな雰囲気をもたらします。
 世代を問わず人気の生涯学習講座も、多種多様のセミナーがオンラインで受講できますので、家族が揃って家にいる機会に、ICTを活用して一緒に何かを学んでみては、いかがでしょうか。(教育学部教職支援室准教授・石原義行)


かしこい子育て ]

掲載紙面(PDF):

2020年10月10日号(2388号)3面 (9,169,319byte)


テイクアウトカタログ

コメント

※コメントは投稿内容を赤穂民報社において確認の上、表示します。
投稿ルールを遵守できる方のみご投稿ください。

取材依頼・情報提供 | 個人情報保護方針 | 著作権 | リンク | 会社概要