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新方式でイワガキ養殖 坂越に視察団

2018年06月15日

  • シングルシード方式について視察団に説明する光栄水産の大河護取締役(左)

    シングルシード方式について視察団に説明する光栄水産の大河護取締役(左)

 良質な殻付きかきを効率的に養殖できる「シングルシード方式」に先駆的に取り組む坂越の光栄水産(大河優代表)を全国各地から集まった水産業者ら約40人がこのほど視察。オーストラリアで開発された専用の養殖かごや殻の大きさを自動選別する分別機などを見学した。
 シングルシード方式は稚貝のときから出荷までカキを円筒状のプラスチックかごに入れて育てる。成長するにつれて殻の大きさを選別してかごに入れ直す必要があり、ロープに吊したまま養殖する「垂下式」よりも手間がかかるが、かごの中で自由に動ける状態で生育することで殻が形良くなり、身入りも味もすぐれたカキを生産できるメリットがある。欧米を中心に普及が進み、日本でも広まりつつあるという。
 光栄水産はシングルシード方式をイワガキに応用。世界かき学会の森勝義会長(78)=東北大学名誉教授=によると、「世界で初めての試み」という。「赤穂クリスタル」のブランド名で昨年から販売をスタートしたところ東京、大阪のオイスターバーで好評で、昨季は約3万個を出荷した。
 視察は、シングルシード養殖に必要な資材を販売するオーストラリア企業「シーパ」が日本法人を設立したのに合わせて行われ、宮城、広島など有名産地からも参加があった。フロートをつけて沖合いに浮かべた養殖かごや分別機が自動でカキの大きさを選別する様子に注目。参加者らは「一つのかごで何個のカキを養殖できるのか」「分別にかかる時間は」などと熱心に質問した。
 弟の大河司専務(29)とともに視察団を案内した大河護取締役(31)は「全国の生産者と意見交換でき参考になった。さらに質の良いカキを安定して生産できるように課題に取り組んでいきたい」と抱負を語った。


商業・経済 ]

掲載紙面(PDF):

2018年6月16日(2281号)3面 (9,289,565byte)


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