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中世寺院跡をゆかりの門徒ら整備 礎石も発見

2017年12月12日

  • ゆかりの五輪塔に手を合わせて偲んだ「六道山遍照院跡を訪ねる会」

    ゆかりの五輪塔に手を合わせて偲んだ「六道山遍照院跡を訪ねる会」

 西有年にある中世の仏教寺院跡を探訪する「六道山遍照院跡を訪ねる会」がこのほどあり、同山を発祥とする大圓寺(真宗大谷派、西有年)の門徒ら約35人が参加。草刈りや枝打ちなど奉仕活動を行い、礎石や五輪塔が残る寺院跡を整備した。
 『播州赤穂郡志』(1747)によると、遍照院は高麗の僧恵便が崇峻天皇3年に草堂を創建、推古天皇8年(600)に伽藍を建立したとの伝承があり、「本堂五間四方の礎」や「鐘楼堂山門の礎」があると記述されている。『赤穂市史』によれば、記述に近い状態で実際に礎石が見つかっており、「平安末期から鎌倉時代にかけて、ここにかなり壮大な堂舎をもつ寺院があったことが明らか」と推定している。
 大圓寺はもともと六道山にあったとされ、「訪ねる会」は同寺の推進員が中心となって平成25年から年1回実施している。「門徒以外の人も道に迷わず登れるように」と横山集落から寺院跡へ続く登山道を整備し、道標看板を設置。遺跡の存在を示す看板を取り付けるなど毎年少しずつ整備を進めてきた。
 5回目となった今回は市教委文化財係の荒木幸治学芸員に同行を依頼し、遺構を確認しながら作業。山頂と本堂跡の間の平坦地で草木に隠れていた礎石を発見した。荒木学芸員によると、「これまでに見つかっていなかった礎石の可能性もある」といい、学術的にも価値のある成果となった。
 参加者らは複数の五輪塔が集中している山頂部で村上彰文住職(63)の読経に合わせて合掌。推進員代表の平尾雅俊さん(66)=西有年=は「今後も活動を続け、由緒ある史跡を後世に伝えたい」と話した。


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