赤穂民報

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関福大・加藤明先生の「応援します!かしこい子育て・教育・介護」【第18回】

2015年10月10日

【心持ちを高潔に育ててほしい】
 『保護者への希望 第一 体を丈夫に育ててほしい 第二 心持ちを高潔に育ててほしい 第三 勤勉持久の慣習を養ってほしい 第四 工夫創造の心を養ってほしい 第五 諸物を愛用せしめてほしい』(通知箋 大成尋常高等小学校尋常科 堀田綾子 大正11年4月25日生)これは北海道旭川市にある三浦綾子記念文学館に展示されている三浦綾子さんの通知表の表紙に書かれていた文章です。
 今学校では家庭と連携、協力して子ども達の生活習慣、学習習慣を育てることに力を入れています。保護者、地域と学校の教職員が手を携えて子ども達の健全な成長を促進していくために学校運営協議会(コミュニティスクール)という新しい組織が各地で立ち上がり活動しています。そのような活動の先取りが大正時代にあったと知って驚きました。
 連携、協力して進めていく際にまず大切なことは、みんなが同じ方向をめざしているかです。前述の「保護者への希望」は、学校がめざす子どもの育ちの姿を示し、保護者のみなさんもこのねがいを共有して一緒にやってくださいという呼びかけ、協力依頼です。その次は、めざした目標の実現のためにどのような取り組みをすればいいかの方策を一緒に考えること。そして取り組みの成果を確かめ、うまくいっていないならその原因を探り、次の手を考えること。目標に掲げて取り組むけれど、成果の確かめが弱いことが少なくありません。
 今の時代ならどのような呼びかけがいいでしょうか。例えば「家族一緒の食事やドライブなど、同じ空間のなかでゆったり時が流れる時間を過ごしましょう。」さらに「お茶でも飲みながら、世間話など気軽なコミュニケーションのひとときを大切にしましょう。」などがいいと思います。5分あれば片付く仕事は、5分ではなかなか片付きません。3分で済む話も、3分では意を尽くせません。その前後に少し時間が必要なのです。
 残念ながら、学校では先生と子どもは授業時間以外にあまり話ができていません。子どもどうしも、先生どうしも同様です。家庭ではどうでしょうか。コミュニケーションは言葉による気持ちのキャッチボールであり、支え合って生きていくコミュニティ(共同体)を創るために大切な道具です。(関西福祉大学・学長)


かしこい子育て ]

掲載紙面(PDF):

2015年10月10日・第2部(2157号)2面 (6,814,589byte)


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