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《市民病院医療事故多発》検証報告に虚偽記載「科内で合議」

 2022年06月04日 
 赤穂市民病院で2019年10月、75歳(当時)女性患者の頚部を手術中、ドリルで硬膜を貫通して首から下を不随にさせた医療事故をめぐり、院内で作成した事故の検証結果報告書について脳神経外科の科長が「虚偽の公式文書を提出した」と文書で告白していたことが、赤穂市が神戸地裁姫路支部へ提出した証拠書類でわかった。

 執刀した男性医師から事故の責任を転嫁するために、実際は助手として手術に参加していた科長が事故時にドリルを操作していたことにして嘘を書いたという。

 虚偽の内容を記載したとされるのは「検証結果報告書」。病院は作成者や作成時期を明らかにしていないが、関係者によると、男性医師による医療事故が相次いだことを受け、藤井隆院長(当時)が脳神経外科チーム3人(当時)に検証を指示し、2020年3月から4月までに提出されたものとみられる。市が先月20日、別の医療事故をめぐる民事訴訟の証拠書類の一つとして裁判所に提出した。

 報告書によると、手術中、「ドリル先端が脊髄硬膜を貫通して、内部の頸髄神経組織の実質内まで達してしまい、これを損傷した」とした上で、「損傷を与えた当事者は○○医師(※科長)であって、××医師(※男性医師)には責任は全くない」と断言。「今後の対応」として「○○医師の手術手技能力の改善が急務である」とまで書いている。


 しかし、男性医師の指導医でもある科長が「補足追加分」として作成した別紙は、事故発生時の状況を「××医師の手により術操作が実施された」と暴露。「この部分のみ私が執刀したことにしておこうと、科内の合議で最終的に決定した。××医師を当科として全面的に守るためには他に選択肢がなく、やむを得ず虚偽の公式文書を提出せざるを得なかった」などと虚偽記載に至った経緯を弁明している。

 補足追加分の記述内容が事実とすれば、公文書でもある報告書に虚偽の内容を記載して提出したことになり、医療事故の速やかな原因究明と再発防止に向けた取り組みを阻害したことにもなる。

 他の医療事故7件の検証結果報告書でも科長が「補足追加分」として提出した別紙があり、指導医(科長)の機器操作や指導が事故につながったとする当初の報告内容に異を唱える記述が複数みられる。

 病院はこれらの報告書をどのように取り扱い、どのように事実認定して再発防止策を検討したのか。取材に対し、「係争中のため、お答えは差し控えます」としている。





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関連サイト:
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掲載紙面(PDF):
2022年6月4日号(2464号) 1面 (9,638,423byte)
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[ 社会 ]


コメント

やっとメスが入りましたか。医療漫画で著名な「竹田くん」の元ネタですが、よくぞここまで真実が描けたものです。感嘆しました。

7  4

投稿:ドクター 2024年10月03日

赤穂民報さんに感謝します。
これからも真実を追求し報道してほしい。
応援しています。

45  33

投稿:東 2022年06月08日

虚偽の検証結果報告書と課長の告白文書、この2つが出てきて病院幹部は疑問を持たなかったのでしょうか?手術に立ち会った他の人に聴き取り調査をすれば、こんな杜撰な報告書のまま放置されなかったのでは?裁判所にこんな杜撰な検証結果報告書を証拠書類として提出すること自体、赤穂市民病院の資質が疑われる。

46  12

投稿:K 2022年06月05日

今回の紙面は、社説含めて市民病院関係が四件。
隠蔽体質が、改善されない限り、病院経営含め善処されないでしょう。
未々、隠蔽してる事柄が多々あるんじゃないか?と、疑惑の目で見てしまいます。

36  34

投稿:白い巨頭 2022年06月05日

病院として重大な事故をおこして、それに対する重要な報告書を虚偽記載するような科長が今でも何食わぬ顔で医療行為を行っていると思うとぞっとします。
事実が発覚した以上、このような倫理観に欠けた医師は、せめて真相解明まで業務停止にすべきです。虚偽報告はあまりにもひどいですよ。

40  48

投稿:恐ろしい 2022年06月05日

事故を起こした医者の問題と思っていたが、この科長なる人物の責任も大きい。
だいたい、科長がこの医者に手術させなければ医療事故は起きなかったはず。
これだけ繰り返し事故を起こしていて、まさか知らなかったとは言うまい。
それともこんな医者に手術させなければ回らないほど医師不足なのか。

41  53

投稿:複雑でよくわからん 2022年06月04日

赤穂市民病院、脳神経外科の問題は相当根が深そうです。
赤穂民放の深いスクープは読み応えが大変あり、説得力がすごいです。
市民病院はまず、脳神経外科を一旦閉鎖すべきでしょう。

37  56

投稿:若い市民 2022年06月04日

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