赤穂民報

コラム【陣太鼓】赤穂市観光大使の小林太玄師を訪問(11月26日)

 秋の京都を訪ねた。大徳寺黄梅院住職の小林太玄師に面会するためだ。以前からお目にかかりたいと思っていたところ、師と20年来の交流がある大橋正樹さん(大橋ホンダ)の紹介で初めて面会の機会を得ることができた。

 師は高校卒業まで赤穂で暮らした縁で、赤穂市の観光大使を引き受けている。元赤穂商工会議所会頭の小西利夫さん、本紙川柳コーナーの選者だった故大上尚子さんらと赤穂高校時代の同級生だ。

 黄梅院は臨済宗大徳寺派の大本山である大徳寺の塔頭の一つ。織田信長が父信秀の追善供養で建立した「黄梅庵」に始まり、小早川隆景、加藤清正、蒲生氏郷といった戦国大名ともゆかりが深い。

 門をくぐって国重要文化財の庫裏の横を奥へ。千利休が豊臣秀吉の要請で作ったと伝えられる「直中庭」、廊下の随所に掲出されている師直筆の随想を見ながら進み、書院へ通された。やがて大きな足音とともに師が現れた。

 師の語り口調は明瞭で力強く、赤穂の将来から世界平和まで及んだ。「赤穂が好きやからな」と語る言葉からは故郷への強い愛着が感じられた。筆者には「主義主張を堂々と書くべき。そのためには自分自身が勉強しないといけない」などと叱咤激励をいただいた。「最近、耳が遠くなった」というものの、84歳という年齢を感じさせない迫力に圧倒された約40分間の面会だった。

 師が住職に就任したのは、およそ半世紀前の1975年。手に鎌を持ち、境内に茂った草を刈り取ることから寺院の整備を始めて今日があるという。面会を終えて握手した師の手はとても分厚かった。

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