赤穂民報

コラム【陣太鼓】信用と信頼ない病院に血税は費やせない(3月19日)

 ▽医療事故多発が明るみになって以降、本来開くべき医療事故調査委員会の不開催、手術禁止処分中の医師による手術事故、その医師の副業違反と組織ぐるみの隠蔽疑惑―と次々に不祥事が噴出している赤穂市民病院。

 ▽もはや事故を起こした医師一人の問題ではなく、病院としての医療安全を守る体制とガバナンス、信用と信頼が大きく揺らぐ事態となっている。

 ▽さらに問題に拍車をかけているのが、一連の不祥事について病院がほとんど説明責任を果たしていないことだ。先日の議会でも「係争中」を理由に多くの質問に回答しなかった。

 ▽たとえ病院にとって都合の悪い情報であるとしても、個人情報以外はありのまま説明し、問題点があったのなら一日も早く改善に取り組む。そうあってこそ、市民が公立病院に期待する信用と信頼を取り戻せるはずなのに、現状は自ら手放していると言わざるを得ない。

 ▽市は慢性的な赤字経営に陥っている市民病院の借金返済に充当するため2億9000万円の繰出金を来年度の一般会計予算案に計上しているが、これには市民の理解が欠かせない。信用と信頼のない病院に血税を費やせるような余裕は赤穂市にはない。

 ▽藤井隆院長は今月末で定年を迎え、別の医療機関へ移るらしい。先の議会で院長退任までに会見を開くよう要求された牟礼正稔市長は「院長に伝えて、しかるべく対応したい」と答弁した。市長の指導力、院長の説明責任。責任ある2人の対応が問われる。

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