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チコのセネガル通信(9)真のイスラム教徒とは

2015年01月31日

  • 大勢が集まるイスラム教指導者の説教

    大勢が集まるイスラム教指導者の説教

 パリでのテロ及びシリアでの「イスラム国」による日本人拘束、ボゴハラムやアルカイダなどイスラム原理主義過激派組織の活動が世界をざわつかせています。日本ではこれらの事件はどのように報道されているのでしょうか。「イスラム教=悪」と思われてしまっていないか心配です。
 セネガルは人口の95%がイスラム教徒です。私の任地であるンドファン市も少数のキリスト教徒と共存しています。神(アッラー)のお恵みをもらうために、ほぼすべての男性が1日5回のお祈りをし、勉強会や祭礼への参加と寄進を惜しみません。「本当のイスラム教徒は武力でなく頭で戦う」と大家さんは言いました。その通り宗教の勉強や知識の共有を欠かしません。
 料理をする時、車に乗る時など何かを始めるときは「ビシミライ」と唱えて悪いことが起きないように祈ります。集会では開会時と閉会時にその活動の成功を願って祈ります。とても純粋に神を信じています。
 また、「自分の持ち物は多くの人に共有・分配しましょう」という教えに則って、住民は私にも食べ物や衣類などを分け与えてくれます。「タリべ」というモスクで学ぶ少年たちにも毎日ご飯やお金を分け与えます。この考えがあるので、やせ細った子どもを見ることがあまりありません。
 たしかに、イスラム教徒の中には人の命を奪う行動をとる集団もいます。しかし、私の周囲にいる人たちを見る限り、争いを好んでいるとも悪い宗教だとも感じることはありません。
 これから私はイスラム教の経典「コーラン」を理解するためにアラビア語を学ぼうと思っています。自分自身がしっかり理解したうえで、みなさんにも知識を共有できればと思います。


チコのセネガル通信 ]

掲載紙面(PDF):

2015年1月31日(2121号)4面 (11,079,415byte)


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