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討ち入りは「武士の一分」

2014年03月21日

  • 元禄赤穂事件について講演した山本博文・東京大学史料編纂所教授

    元禄赤穂事件について講演した山本博文・東京大学史料編纂所教授

 元禄赤穂事件の背景を一級史料からひも解く講演会「『忠臣蔵』の真実 なぜ吉良邸討ち入りが行われたか」が21日、中広の赤穂市文化会館小ホールであり、東京大学史料編纂所の山本博文教授(57)の話を約320人が聴講した。
 日本近世史専攻の山本教授は『「忠臣蔵」の決算書』『赤穂事件と四十六士』など著書多数。史料を基にした歴史考証に定評があり、主催の赤穂義士会が講師に招いた。
 講演では、浅野内匠頭が刃傷に及んだ理由について古文書の記述を基に、「老中たちの前で吉良上野介から武士道が立たなくなるような恥辱を与えられた、というのが本当のところでは」と推定。攻撃の意思を示してから切りつけている点に着目し、「発作的に刀を抜いたのではなく、考えた上での行動だった」と乱心説を否定した。
 また、大石内蔵助や堀部安兵衛ら赤穂浪士が残した書状を現代語訳しながら、当時の武士がいかに「面目」を重視していたかを解説。四十七士の討ち入りについて、「単なる復讐ではなく、武士の一分を果たすための義務としての行動だったのだろう」とまとめた。
 加古川市から来場した男性(65)は「史料を示しながらの講演で説得力があった。今までとは違う角度で忠臣蔵を楽しめた」と好評だった。


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