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くぼっち文庫、7カ月ぶり再開

2013年04月13日

  • 7カ月ぶりに私設図書館を再開し、子どもたちに絵本をすすめる久保良道さん(右)

    7カ月ぶりに私設図書館を再開し、子どもたちに絵本をすすめる久保良道さん(右)

 世界100カ国を超える絵本を所蔵し、館長の療養のため昨年9月から休館していた有年原の私設図書館「くぼっち文庫」が13日、7カ月ぶりにオープン。親子連れなど再開を待ち望んでいた利用者らが来館し、絵本を棚から選ぶ子どもたちの明るい声が響いた。
 同文庫は赤穂民報のコラム「絵本で世界を旅しよう!」の執筆者でもある元中学校長の久保良道さん(75)が亡妻・眸さんの遺志を継ぎ、平成15年に自宅車庫をリフォームして開設。月2回の開館日に3000冊以上ある絵本を冊数と期間の制限なく無料で貸し出し、延べ利用者は2000人を超えた。10周年を迎えた昨年9月、久保さんに大腸がんが見つかり、手術入院のためやむを得ず休館した。
 がんの宣告に「これで人生も終わり」と一時は悲観的になったが、病床で絵本を読むうちに「もう一度、元気になって文庫を再開したい」との思いがふくらんだ。手術は無事成功。退院して自宅に戻ると、留守番電話に久保さんの安否を気遣う利用者たちからのメッセージがあり、さらに勇気づけられた。必要な体力を取り戻すために毎朝2キロの散歩を日課にし、これまでは無頓着だった食事のバランスにも配慮するようになった。
 再開初日となったこの日、近所の子どもたちが自転車や徒歩でやって来た。「どれにしようかな」「この本も、あの本も読んでみたい」。借りる絵本を楽しそうに選ぶ様子に久保さんは「やっぱり文庫を再開してよかった」と目を細め、「絵本、そしてこの文庫があるから今の自分がある。命ある限り、絵本のすばらしさを一人でも多く伝えたい」と言葉に力を込めた。
 「くぼっち文庫」は従来と同じ毎月第2・第4土曜日の午前9時〜午後3時開館。Tel49・2089


街ネタ ]

掲載紙面(PDF):

2013年4月20日(2035号)1面 (9,133,178byte)


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