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赤穂の文化財が一堂の特別展

2011年11月25日

  • 歴史博物館で開催中の特別展「赤穂の指定文化財」

    歴史博物館で開催中の特別展「赤穂の指定文化財」

 市制施行60周年記念の特別展「赤穂の指定文化財」が上仮屋の市立歴史博物館で開かれている。普段は市内各所に点在し、公開機会が稀な史料の数々を一堂に見ることができる。
 市内の指定文化財は国、県、市を合わせて72件。本展では、古文書類、絵画、彫刻など有形文化財のうち、義士が討ち入りの状況を記した「冨森助右衛門筆記」(市教委蔵)、平安後期の作とみられる「木造菩薩立像」(大津八幡神社蔵)など26件を集めた(12月22日に一部展示替え)。
 「井口半蔵・木村孫右衛門連署起請文」(市教委蔵)は元禄15年(1702)に浪士たちが大石内蔵助宛てに提出した誓約書の一枚。討ち入りの意思を固めた内蔵助が一旦全員に返却し、受け取りを拒否した者を同志としたことで知られる。当初120人が提出したが、現存が確認されているのは本品のみ。
 「三十六歌仙絵扁額」(周世自治会蔵)は赤穂藩主、浅野長直が赤穂城完成から5年後の寛文6年(1666)に周世の山王神社へ奉納。同神社は赤穂城の鬼門にあたる神護寺の守護神で、城の完成を祝うとともに藩の安泰を願ったものと考えられる。藤原公任選の三十六歌仙肖像を6人ずつ描いた全6画(前期は4画のみ)。背景に金箔が施され、藩主の奉納物にふさわしい品といえる。平成11年の文化財指定後、初めての一般公開。
 その他、宇喜多秀家領に残る本検地帳として唯一の「真殿村検地帳」(真殿自治会蔵)、坂越廻船の船乗り賃金を板に記した「船賃金定法」(個人蔵)、大正から昭和にかけて約50年間の塩業記録「赤穂東浜信用購買利用組合文書」(市教委蔵)など。
 「赤穂のあゆみそのものとも言える展示構成になりました」と木曽こころ学芸員。「バラエティに富む赤穂の歴史と文化を振り返ってもらえれば」と話している。
 1月10日(火)まで午前9時〜午後5時(入館は4時半まで)。水曜休館(12月14日は臨時開館し、15日に休館)。大人300円、小中学生150円。図録(A4判66ページ)は一部900円で販売している。Tel43・4600


文化・歴史 ]

掲載紙面(PDF):

2011年11月26日(1968号)1面 (10,468,551byte)


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