赤穂民報

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半世紀ぶり復活へ農村舞台を修理

2011年07月18日

  • およそ半世紀ぶりの復活へ向けて修理が進む有年牟礼の農村舞台

    およそ半世紀ぶりの復活へ向けて修理が進む有年牟礼の農村舞台

  • 昭和30年代の上演の様子=有年横尾の山本智子さん提供

    昭和30年代の上演の様子=有年横尾の山本智子さん提供

 かつて田舎芝居などの発表の場として地域に親しまれ、赤穂市内に唯一現存する農村舞台を約50年ぶりに復活しようと、地域住民とボランティアによる修理作業が有年牟礼の八幡神社で進められている。11月の秋祭りには補修が済んだ舞台で地元をはじめ市内の芸能団体が和太鼓や邦楽などを上演する予定だ。
 農村舞台は木造瓦葺き平屋建てで間口約7・3メートル、奥行き約6・8メートル、軒高約4・0メートル。市文化財保護連絡員の福井詔生さん=有年牟礼=が地域の古老から聞き取った話では、昭和21年10月、有年横尾にあった旧煙草収納所の解体部材を使って建築。翌年の秋祭りで青年団による演劇でこけら落としされた。その後も例祭になると舞台の周囲に露店が立ち並び、住民らが弁当や酒を持ち込んで芝居や浪曲を楽しんだという。
 しかし、テレビの普及など社会状況の変化に伴い、昭和30年代後半を最後に舞台が使われることはなくなった。雨漏りなど老朽化が進み、「いつ損壊してもおかしくない状態」(市教委)になっていたが、「地域に残る歴史文化遺産として継承しよう」と地域住民による復活保存実行委員会(室井伊佐夫代表)が今年4月に発足。市内の建築士らのグループで坂越の「船だんじり」復活整備でも実績のある「赤穂まちづくり研究会」(山本建志代表)がボランティアで屋根の雨漏りを修理し、今月18日には梁の補強と床の再塗装を行った。
 今後は11月5日、6日に同神社の例祭に合わせて催す“復活興行”へ向け、舞台奥の倉庫に眠っている備品類を整理。上演に必要な背景画は9月ごろ地元小学生たちが描く予定だ。
 「子どものころ、祭りと舞台が一番の楽しみだった」と思い出を話す室井代表は「地元だけでは修理は困難だった。協力が得られて本当にありがたい」とボランティアに感謝。関係者に舞台の復活を呼びかけた市教委は「取り壊されずに済んでよかった。地域おこしに役立たせてほしい」と話している。


文化・歴史ボランティア ]

掲載紙面(PDF):

2011年7月30日(1953号)1面 (8,452,377byte)


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