赤穂民報

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キルギスの騒乱に心痛

2010年06月18日

 中央アジア・キルギス共和国に南部で今月11日から民族抗争が発生。15日までに死者170人を超える惨事となっている。国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊員として昨年6月まで同国に2年間滞在した新田の伊藤寛子さん(27)は「なぜこんなことになってしまったのか。早く収束してほしい」と心を痛めている。
 報道によると、11日未明、南部のオシ市で、国民の約70%を占めるキルギス系と約15%で2番目に多いウズベク系の住民同士が衝突。連日銃撃戦や放火、略奪などが続き、多数の死傷者が出ている。隣国へ脱出する難民は10万人に達する見込み。伊藤さんによると、衝突の震源地となったオシ市は以前から治安に不安があり、JICAが職員の派遣を見合わせていた地域だという。
 キルギスでは今年4月、首都ビシュケクで反政府運動が激化。暴動と政変で暫定政権へ移行した経緯がある。今回の衝突原因については、「失脚したバキエフ前大統領の画策」とする説や「失業などで慢性的な不満を抱えていた若者の暴発」とみる説などがあるが、いずれもはっきりしていない。
 伊藤さんが赴任していたシャブダン・アタ村は北部にあり、かつての教え子からの電話にも切迫した様子はないという。「キルギス人とウズベク人が互いにあまりよい印象を持っていないという感じはあったが、ここまでの争いに発展するとは。正直ピンと来ない」と首をかしげつつ、「これ以上拡大しないでほしい」と願っている。


社会 ]

掲載紙面(PDF):

2010年06月19日(1900号)4面 (8,233,057byte)


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