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大石主税の書状 討ち入りほのめかす

2010年02月01日

  • 大石主税の直筆と鑑定された書状=豊岡市立出土文化財管理センターの瀬戸谷晧所長より提供

    大石主税の直筆と鑑定された書状=豊岡市立出土文化財管理センターの瀬戸谷晧所長より提供

 大石内蔵助の長男・主税が討ち入りの約3カ月半前に親族へ送った直筆とみられる書状が、奈良県高取町の民家に残っていたとこのほどわかった。16歳でこの世を去った主税の書状は数少なく、貴重な史料として注目される。
 書状の宛て先は高取藩の筆頭家老、中谷(なかねや)清右衛門の妻・香(こう)。主税の母・りくの叔母にあたる。
 書状は香から贈答を受けた主税の礼状とみられ、「仰せのように、私は近いうちに父と同道し遠方に参ります」「ことのほか取り込んでいますので簡単に申し上げたようなことです」と、討ち入りへ向けた江戸入りが近づき、身辺があわただしくなっていることをほのめかしている。
 また、「豊岡でもみなみな様おかわりないのでしょうか。久しく文がこないので、心もとなく思っています」と実家に戻った母と弟妹らの消息を気遣うくだりもある。
 末尾に元禄15年(1702)の「閏八月廿七日」と日付けがあり、主税はこの日から約3週間後に当時住んでいた京都から江戸へ出発。本懐を遂げて元禄16年2月4日に切腹した。
 鑑定した豊岡市立出土文化財センター(瀬戸谷晧所長)は「これまでに確認されている主税の書状と筆跡が酷似している。書かれている日時、内容に矛盾がなく、まず真筆とみて問題ない」としている。


文化・歴史 ]

掲載紙面(PDF):

2010年2月27日(1884号)1面 (9,490,993byte)


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