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赤穂が生んだ文人歴史家 姫路で特別展「西山松之助」

2022年10月21日

 近世日本文化史を専門とした赤穂生まれの歴史学者の生涯と業績を回顧する特別展「没後10年 西山松之助展 ある文人歴史家と江戸学の軌跡」が姫路市山野井町の姫路文学館で開かれている。


赤穂生まれの文人歴史家、西山松之助=赤穂市教育委員会市史編さん室提供

赤穂生まれの文人歴史家、西山松之助=赤穂市教育委員会市史編さん室提供


 西山松之助は1912年に東有年で雑貨商を営む家に生まれ、幼少期を過ごした。姫路師範学校、東京文理科大学などで学び、研究者の道へ。芸道の「家元」「家元制度」に関する研究を端緒に江戸時代の文化史を横断的に体系化した「江戸学」を確立した。92年に赤穂市から名誉市民を受章。2012年1月、99歳で亡くなった。

 今回の展示では、貴重な遺品を受贈した赤穂市教育委員会市史編さん室の特別協力で著書の原稿や研究ノート、書画、茶杓など約260点を紹介。生い立ちから晩年まで、さまざまな出会いや経験を積み重ねながら研究者として大成していく軌跡を丁寧に解説している。

 展示を担当した徳重公美学芸員は、研究が高じて生涯で5000本を超える茶杓を自作したり、国立大劇場で歌舞伎「勧進帳」に出演するなど実践を通じて江戸文化を体現した松之助の情熱に着目。「研究と実践が一体となった独自の学問方法を感じながら、西山が愛した江戸文化の数々を楽しんで欲しい」と観覧を呼び掛けている。

 12月4日(日)まで北館特別展示室などで午前10時〜午後5時(入館は4時半まで)。月曜と11月4日・24日は休館。観覧料700円(大学・高校生400円、中学・小学生200円)。


姫路文学館で開催中の特別展。仮名手本忠臣蔵の登場人物をイメージして自作した茶杓も公開されている

姫路文学館で開催中の特別展。仮名手本忠臣蔵の登場人物をイメージして自作した茶杓も公開されている


 11月6日(日)午後1時半から学芸員による展示解説会。また、11月20日(日)午後2時から琴丘高校生が江戸時代の旅行案内本「名所図会」を解説するイベントがある。Tel079・293・8228


文化・歴史 ]

掲載紙面(PDF):

2022年10月22日号(2480号)1面 (5,308,569byte)


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