赤穂民報

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韓国人歌手が“日本の母”に恩返しライブ

2008年12月20日

  • 「日本のお母さん」に歌を聴かせようと赤穂でコンサートを開くザ・ストーリー=右から2人目がパク・スヒョさん

    「日本のお母さん」に歌を聴かせようと赤穂でコンサートを開くザ・ストーリー=右から2人目がパク・スヒョさん

 赤穂の主婦に励まされ、一旦あきらめていた音楽活動を再開した韓国の男性ボーカリストが、再結成メンバー4人で来日。12月23日(火・祝)に加里屋まちづくり会館でコンサートを開く。「一番に歌を聴いてほしい人」と慕う主婦への“恩返しライブ”。感謝の気持ちを込めた温かなハーモニーを響かせる。
 平成町の主婦広瀬重美さん(65)は8年前に最愛の夫に先立たれ、心にぽっかりと穴が開いた。一時は自殺を考えるほどふさぎこんだが、韓国ドラマ「冬のソナタ」に登場する美しい風景や物語に癒され、3年前にソウルへ観光旅行。現地へ留学している友人の紹介で出会ったのが歌手のパク・スヒョさん(26)だった。
 パクさんは平成16年に男性4人のボーカルグループ「T.H.E STORY(ザ・ストーリー)」でデビュー。新人部門で1位になるなど将来を期待されたが、メンバーの徴兵などで事実上の解散。大好きな音楽活動ができず、行き場を失っていた。
 食事やカラオケを一緒に楽しむうちに、パクさんは広瀬さんのことを深い親しみを込めて「イモ(おばちゃん)」と慕うように。広瀬さんも「まるで息子ができたみたい」と、その後も半年に一度はソウルを訪れた。空港に到着すると必ずパクさんが出迎えて、名所やドラマのロケ地を案内してくれた。
 昨年8月には誕生日の広瀬さんを驚かそうと、民族衣装のプレゼントを抱えたパクさんが突然来穂。約1週間ホームステイし、すき焼きと手料理でもてなした。
 「言葉は通じなくても、お互いの気持ちは通じ合える」。実の親子と変わらないぐらいの絆が生まれた。
 パクさんから元気をもらった広瀬さんは会うたびに「もう一度、歌ってくれるのを待っているからね」と声をかけ続けた。パクさんはその期待に応え、今年10月に新メンバーでグループを再結成。本格派R&B(リズム&ブルース)のグループとして念願のCDデビューも果たした。
 パクさんは所属事務所と契約する際、「日本に行って歌うためにスケジュールを空けてほしい」と要望。すでに韓国内でのプロモーションが組まれていたが、渡航費用も全額自己負担するという熱意で事務所側を説得した。
 メンバー4人は17日に来日。25日まで滞在し、日本の支援者らが押さえた会場でコンサートを開く。
 「本当に孝行息子。スヒョ君のおかげで、いつの間にか生きることが楽しくなった」と広瀬さん。「すてきな笑顔と歌声を楽しみにしています」と心をときめかせている。
 コンサートは1階ホールで午後6時半開場、7時半開演。「お世話になった日本のみなさんのために歌いたい」と無料で行う。会場で販売するCD(1000円)の売上げが彼らの日本での活動費になる。問合せは「ザ・ストーリーinAKO実行委員会」Tel42・2335(木村タンス店)。


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掲載紙面(PDF):

2008年12月20日(1827号)1面 (5,225,212byte)


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